『トーキョー・ナイトメア リプレイ1 ブラックダイヤモンド』第1話特別掲載。

◆Research07◆潜入調査
  シーンプレイヤー:唐巣サブロー
  シーンタロット:ハイランダー

 
 極東旅団を名乗る団体がアジトにしているのは、東京郊外こうがいの古いビルだ。
 金網かなあみやブルーシートでおおわれ、いかにもな拠点となっている。
 唐巣は、エリカとともに軽自動車で向かった。

 
RL:では、次のシーンです。シーンタロットはハイランダー。極東旅団のアジトのアドレスを得ていますが、どうしますか?
唐巣:さっそくそのテロリストのアジトに向かってみましょう。
エリカ:なんか危ない場所だから、あたしもついていこうか?
唐巣:ああ、来てもらえると助かります。
テツヤ:俺は留守番だな。チームを一旦解散だ。
RL:では、シーンプレイヤーを唐巣に唐巣とエリカは、東京郊外にあるビルに向かうことになります。
唐巣:私は軽自動車を持っていますので、エリカさんを乗せていきましょう。
エリカ:ありがとう。
RL:では、唐巣が軽自動車でやってきたのは、古いビルです。出版社ということになっていますが、その外観は金網やらトタンやらで覆われています。
エリカ:じゃ、車の中から様子を見る。
RL:中に、人はいるようですね。
エリカ:どうするの、唐巣さん?
唐巣:情報を得るには、中に潜入してみるしかないでしょうね。
RL:発見されずに潜入するには、目標値18の〈隠密〉の判定が必要となります。
唐巣:任せてください。〈無面目〉がありますから、清掃員せいそういんに化けて潜入しますよ。
RL:では、〈隠密〉判定をどうぞ。
唐巣:(カードを切る)〈隠密〉の達成値は18ちょうど。では、行ってきましょう。
エリカ:行ってらっしゃい。
 
 唐巣は、さっそくトランクにあった清掃員の作業服に着替きがえ、ビルに向かった。
「こんにちはー」
 薄暗うすぐらいビルの中に入っていく。
 ビルの中に見張りらしき人員がいるが、これといって特徴のない清掃員として素通りできた。
 表向きは出版社を装っているが、廊下にはNBIの捜査官と思しき者たちの顔写真が貼り出されており、ここがテロリストたちのアジトであることを物語っている。編集部とされるオフィスには通信端末たんまつのPCが置いてあった。

 
RL:潜入すると、通信端末が置いてあるオフィスのような部屋があります。彼らの主張を配信するサイトの作成や、機関誌などを編集する部署ですね。
唐巣:その資料が、手がかりになりそうですね。
RL:〈隠密〉の判定に成功したので、情報を得られたとします。演出はどうします?
唐巣:では、そのPCから、情報を引き出してみましょう。ファイルをかたぱしからコピーして、データチップに転送しましょう。
テツヤ:よく海外のドラマなんかであるシーンだな。ファイルをコピーし終わるまでの時間が表示されて、見張りがやってきそうな気配がするっていう。
唐巣:その間に、書類や資料なども押収おうしゆうしつつ、写真も撮りつつ情報をあさります。
エリカ:あたし、ビルの外で待ってるから。いざってときは窓から放り投げれば回収するけど。
唐巣:おお、助かります。
RL:じゃあ、資料がまとまったところで、オフィスに誰かやってきます。
唐巣:おっと……! 急いで窓の外にいるエリカさんに資料をわたします。
エリカ:はい、キャッチ!
RL:「おい、そこは掃除そうじしなくていいよ」
唐巣:……あっ、そうなんですか。
RL:「一応、出るときに荷物をチェックさせてもらうけど、いいよね?」
唐巣:はい、大丈夫ですよ。
RL:というわけで、手荷物や掃除用具のチェックをしますが、すべてエリカに渡しているので難をのがれました。
唐巣:「いつもどうも」と挨拶をして、軽自動車にもどります。
エリカ:あたしも戻るわ。(資料を渡し)はい、唐巣さん。
唐巣:受け取ります。どうもです。車を出してしまいます。私が運転している間に、エリカさんにチェックしてもらいましょう。
エリカ:わかった。気になるものとかはある?
RL:くわしくは、目標値14の〈社会:ストリート〉で判定してください。
エリカ:わかった。(カードを切る)〈社会:ストリート〉で、達成値14ちょうど。
RL:では、爆発物ばくはつぶつらしきものの購入こうにゆう記録と、“黄昏の亡霊”東誠一からとされるテロ実行指令の動画ファイルがありました。
エリカ:ちょっとー、ビンゴよ唐巣さん!
唐巣:思わず、車停めちゃいますよ。どういう内容なんですか?
エリカ:その動画ファイル、再生していい?
RL:モバイルノートでもスマホでも、問題なく再生できますよ。
エリカ:じゃ、再生して唐巣さんに見せる。
RL:顔が映らないようになっている映像で、“黄昏の亡霊”東誠一と名乗る人物が「……我々の敵、権力の手先、増田志郎の国政進出を許すな。諸君の決起に期待している」とアジテートを行なっている映像です。
唐巣:これはまずいですね……。
RL:キーワード【テロ計画】を得ます。このキーワードを調査するのは、次のシーンになります。
 
*   *   *
 
RL:それでは、舞台裏です。
テツヤ:俺は、【増田の経歴】を調べたい。
RL:〈社会:警察〉か〈社会:社交界〉で目標値18です。
テツヤ:それなら、〈社会:警察〉で判定して、達成値18でちょうどだ。
RL:では、次の情報を得ます。
 
増田の経歴
 エリート警察官僚。“黄昏の亡霊”事件に前後する警視正時代の経歴が不明。この時期、ヌルを率いる理事官であったとうわさされている。
 この時期、ブラックダイヤモンド計画と呼ばれる何らかの計画に関与していたらしい。
 
RL:キーワード【ブラックダイヤモンド計画】を得ることになります。
テツヤ:ブラックダイヤモンド計画……?
エリカ:何か、真相に近づいてきたみたい。
テツヤ:その計画が、今回の事件の関係か。
唐巣:しかし、これは七年前に増田がヌルを取り仕切っていたという情報ですよね。つまり、土岐野の上司だったということでは?
テツヤ:そう考えられるな。増田は、土岐野に命じられてテロ組織に潜入し、そして実際に七年前にテロを起こした……。つながり始めてきたな。
唐巣:ブラックダイヤモンド計画を調べてみる必要がありますね。
RL:先に説明しますと、【ブラックダイヤモンド計画】の情報収集は、〈社会:警察〉か〈社会:テクノロジー〉、で目標値18の判定に成功すると得ることができます。
唐巣:七年前のその時期……ブラックダイヤモンド計画が、増田先生と“黄昏の亡霊”を繋ぐ接点のようですね。
エリカ:だんだん、掴めてきたじゃないの。内調のお仕事って、いつもこんな感じ?
唐巣:おっと、それは国家機密なんでお話しできないんですよ。
エリカ:じゃ、これ以上は聞かないでおくわ。
RL:では、極東旅団のテロ計画をつかみ、ブラックダイヤモンド計画という新たな謎が浮かび上がってきたところで、シーンを終了します。