●前書き
もうひとつの世界
もうひとつの現代
世界秩序が乱れ、治安は悪化し、
貧富の差は極限まで開いた
紛争と小競り合いが世界中に蔓延し、
人々の心に、暗鬱とした不安と緊張がのしかかる
この時代を人々はいつしか
〝黄昏の時代”と呼んだ
もうひとつのトーキョー
世界最大の大都市には、
なけなしの富と栄光を求め
世界中の影が集う
人々は自衛のため、
武器を取ることを選び
都市の闇が顎を開く
さあ
夜が来て、悪夢が始まる
ようこそ、“黄昏の時代”のトーキョーへ。
本書はTRPG『トーキョー・ナイトメア』(以下、『TNM』)のリプレイである。
TRPGとは、テーブルトーク・ロールプレイングゲーム(Table Talk Roll Play playing Game)の略で、参加者がルールを元に会話で物語を作り上げて行く遊びである。
『TNM』の目的は、現代の日本とよく似た世界を舞台に、さまざまなプロフェッショナルが事件を解決していくストーリーを演出することだ。
リプレイとは、この『TNM』をプレイした様子が会話形式で書かれたもので、物語として読んでも楽しめる。実際に行なわれたゲームプレイ二回分を二話にまとめて記述されている。
本編は、過去のテロ事件に端を発する、警察組織も巻き込んだ陰謀にまつわる物語が展開する。物語としてリプレイを楽しむためには、本書以外のルールブックなどは必要ない。
ルーラー(以降、RL)と呼ばれるゲームの進行役は、本書の著者である丹藤武敏である。