◆Research10◆恐怖の足音
シーンプレイヤー:唐巣サブロー
シーンタロット:チャクラ
極東旅団のアジトを探索した唐巣は、エリカとともに日置探偵事務所に戻る。
もう日が明け、一日が始まろうとしている。
“黄昏の亡霊”がテロ計画を指示している。
この事件、NBIを始め警察を当てにはできない。“新宿の虎”――テツヤの力が必要なのだ。
RL:次のシーン。シーンプレイヤーは唐巣にしましょう。シーンタロットはチャクラ。極東旅団のアジトから戻ってきた頃には、もう朝になっています。
唐巣:徹夜は仕方ないですね。それでも、テツヤさんのところに情報を持っていきましょう。例のガレージ兼事務所に向かいます。
テツヤ:唐巣の登場を待っていよう。ここで、チームを再結成してもいいか?
RL:もちろんです。
エリカ:あたし、唐巣さんと一緒に登場する。
唐巣:同行してもらいましたしね。「テツヤさん、私です」とガレージのシャッターを叩きます。
テツヤ:どうだった、そっちは?
唐巣:夜通しになりましたが、情報は得られました。
エリカ:ふあ、眠ぅーい。横で眠そうにしてる。
唐巣:“黄昏の亡霊”は、増田志郎を狙ってテロを行なうよう極東旅団に指示していました。例のアジトに潜伏して得たテロ計画についても報告します。
テツヤ:そうか。俺のところには、その“黄昏の亡霊”から電話があった。
唐巣:……ほう、それは気になりますね。
テツヤ:それで話はつながったんだ。“黄昏の亡霊”東誠一は、公安の潜入捜査官だった土岐野貞秀だ。土岐野は、潜入捜査官としての仮の身分のまま、指名手配されたことになる。
唐巣:潜入捜査官がテロリストにされた、と。
テツヤ:ああ、ブラックダイヤモンド計画とかいうものに関わり、その関係者でもあった増田に切り捨てられたようだ。
唐巣:その復讐が目的のようですね。
テツヤ:おそらくな。
唐巣:では、その計画を調べてみましょう。ここで【ブラックダイヤモンド計画】について〈社会:ビジネス〉で判定します。(カードを切る)
RL:では、以下のことが判明します。
ブラックダイヤモンド計画
捜査関係者、諜報活動に関与する者たちの間では、触れてはならないと言われる謎の計画。噂されるようになったのは、七年前から。
関係者の中には、抹殺された者もいるという。
テロを抑止するのが目的だったとされるが、詳細は不明である。
計画は政治上の問題で中止となった模様。関係者は解散、資料なども消失した。
エリカ:なんで中止に?
RL:計画を推進していた政治家が失脚したとか、そういう理由です。
エリカ:それで有耶無耶になっちゃったんだ。
RL:他にも、合法ではない部分があったようです。表沙汰にはなっていません。
エリカ:だから、ユウカちゃんのお父さんを切り捨てたってわけ? ひどくない?
唐巣:ええ、ひどいですね。
テツヤ:“切り捨てられた”と言っていたからな。テロを抑止する目的の計画のため、潜入捜査を行なっていた土岐野貞秀に対し、増田からテロの実行が命令された……。
唐巣:しかし、計画は何らかの理由で中止になった。
テツヤ:実際は抑止されず、偽りの身分である東誠一のまま土岐野は指名手配された、か。
エリカ:ほんと、ひどい。でも、警官だから、わざわざ人が死なないテロを実行したのね。なのに、失敗の責任を取らされて隠蔽された……。
唐巣:復讐を企むのも、わからなくはない。
エリカ:問題は、そのブラックダイヤモンド計画についてよね。
唐巣:詳細は不明ですしね。
RL:ここで説明しますと、今回のアクトではブラックダイヤモンド計画についての情報はこれ以上はありません。続く第二話で判明する予定です。
唐巣:なるほど、了解しました。
エリカ:じゃあ、第二話に期待ね。
テツヤ:そのテロ計画、決行はいつだ?
唐巣:増田志郎の演説会は……。
RL:本日午前中、増田が立候補した選挙区の都民会館で行なわれます。
エリカ:もう時間ないじゃなーい!
テツヤ:俺たちが向かって止めるしかない、か。
唐巣:今回、警察は当てにできませんしね。
テツヤ:今から向かえば、間に合うか。ゴーストライダーを出そう。
唐巣:あと、残っている情報ってありましたか?
RL:(シナリオを確認し)【天谷響子】の情報が残っているだけです。〈社会:ストリート、警察〉で目標値12です。
テツヤ:なら、俺が、【天谷響子】を調べよう。〈社会:トーキョー〉で、達成値は15だ。
RL:成功すると、以下の情報がわかります。
天谷響子
通称“極東の狼”。二八歳の女性。剣術の達人で一人一殺革命を標榜。伝説的テロリスト東誠一に心酔し、その指示を待っている。
極東旅団反抗の狼のリーダー。
テツヤ:……だそうだ。
エリカ:極東旅団のリーダーが彼女ってことね。
唐巣:スタイルも、カタナなのもわかりましたね。しかし、不殺の英雄であった“黄昏の亡霊”に心酔しているのに、殺すのもやむなしなのですね。
RL:もう犠牲者をできるだけ出さないという主義を捨てたということです。
テツヤ:あと、気になるのはユウカのことだが……。
エリカ:ルーラーシーンで増田に《神の御言葉》使われてたよね。
テツヤ:彼女からの連絡は? ないなら、こっちから電話してみよう。
RL:留守電サービスにつながりはしますが、ユウカからの応答はありません。
テツヤ:……出ないな。
エリカ:寝ているかもしれないけど、位置情報とかわからないかしら?
RL:目標値12〈電脳〉判定に成功したら、わかるとします。
エリカ:(カードを切る)なら、スペードの9を切ってギリギリ成功させるわ。
RL:すると、増田の演説会が行なわれる都民会館に向かっていることがわかります。
エリカ:……急がなきゃいけない理由、増えたわね。
テツヤ:そうだな。ゴーストライダーを出そう。都民会館に急ぐぞ!
エリカ:唐巣さん、あたしたちも行きましょう。
唐巣:私の軽自動車に乗ってください。
エリカ:わかったわ。
唐巣:私も、都民会館に向かいます。
* * *
エリカ:でもさ、増田センセが旭鷲警備の社員まで使ってユウカちゃんを襲わせた理由って、彼女のお父さんから身を守るためだったのね。
テツヤ:だろうな。娘を確保すれば指名手配犯の“黄昏の亡霊”も誘き出せると踏んでのことだろう。
エリカ:自分が狙われる理由と相手の正体をわかってて、そういう手を打ったわけね。
唐巣:したたかと言えばしたたかですが、あまり気持ちのいい話ではないですな。
エリカ:ていうか、最悪!
テツヤ:ああ、同感だ。
RL:では、皆さんに【SPS:テロを止める(5点)】を提示します。
テツヤ:テロを止めれば、俺たちはみんな経験点5点を得られるわけだな。
RL:はい、SPSはすべてのキャストに提示されます。皆さんが増田の演説会場である都民会館に向かうと決めたところで、シーン終了としましょう。