『トーキョー・ナイトメア リプレイ1 ブラックダイヤモンド』第1話特別掲載。

◆Ending03◆夜の闇
  シーンプレイヤー:たちばなエリカ
  シーンタロット:カゲ

 
 新宿の裏通り。
 仕事を終えたエリカは、その店にやってきた。
 バー・ヤロール。
 この街で裏稼業かぎように足をれているなら、大抵たいていは知っているという店だ。

 
RL:続いて、エリカのエンディングになります。シーンタロットはカゲ。アマンダ・アインスブルクに事後報告するシーンを用意していますが、希望はありますか?
エリカ:あたし、ヤロールでアマンダさんと話をするシーンにするわ。さすがに、唐巣さんが《完全偽装アンダカヴア》を使って闇に葬られた事件の顛末を報告するわけだしね。
 
バー・ヤロール
 新宿の裏通りの会員制バー。裏稼業のフリーランスがひっそりと依頼人い らい にんと会うという。店の照明は極限までしぼられており、顔を合わさず商談ができる。 バーテンダーのジャックが店を取り仕切っている。

  
RL:では、エリカに呼び出さたアマンダは、バー・ヤロールのボックス席で待っています。
エリカ:薄暗うすぐらい部屋に入って、ペルソナをカタナにする。「けっこうディープな話だったわよ」依頼にあった女の子の父親が、実は……って話をするわ。
RL:アマンダも、何か思い当たることがあるのか神妙しんみような顔をして聞いています。
エリカ:でも、内調がからんでいるから、報道はされないんじゃないかしら?
RL:「そう……」
エリカ:事の発端ほつたんは、ブラックダイヤモンドという計画だったんだって。
RL:すると、アマンダは一瞬だけはっとした表情になります。
エリカ:何か知ってるようね……。
RL:一瞬だけだったので、すぐに表情は平静にもどります。暗い店内なので、細かくはわかりませんが。
エリカ:いいわよ。そんなに気にしないし。「なんだかよくわかんないんだけど」って言っておくわ。
RL:「その件に関わると、どうなるかは保証できないわ。“ブラックダイヤモンド”は、まだ生きているから」
エリカ:そうなの? 何か知っているのね。
RL:「これ以上は、言わないでおくわ。長生きしたいなら、知らない方がいいこともある」
エリカ:別にいいわよ、長生きしたいわけじゃないし。……ただ、今回は、一七さいの女の子がひとり、救われた……それが大切だと思うの。
RL:「それで、十分よ」
エリカ:アマンダさんもそう思うでしょ? だから、あたしはあなたの仕事を続けるの。そういう仕事なら、また受けるから。
RL:アマンダも、少し微笑ほほえんだように思えます。
 
 その人物の周囲で、事件が起こる――。
 それだけを告げる、不思議な依頼人。
 実を言うと、エリカはアマンダからの依頼を楽しみにするようになっていた。

 
RL:ところで、エリカは《プリーズ!》が残ってますが、どうします?
エリカ:ああ……、じゃあ増田センセに《プリーズ!》して、《制裁パニシユツ》を自分自身に使用させる。
RL:えっ?
エリカ:神業使ってたじゃん、アイツ。唐巣さんを盗聴したの、増田センセだよね?
RL:はい、そうです。
エリカ:事件のことは公開できないから、警備会社との汚職おしよくかなんかで落選でいいや。もう演出はいらないかな。
RL:なるほど、わかりました(笑)。ではシーンを終了します。