■キャスト紹介
RL:それでは、ハンドアウトを発表した後、キャストの自己紹介をお願いします。
●フェイト:日置鉄也
▼キャスト①用ハンドアウト
コネ:土岐野ユウカ 推奨スート:スペード
キミはトーキョーに事務所を構える探偵だ。
キミの事務所を訪ねてきたのは、土岐野ユウカと名乗る女子高生。七年前に姿を消した父の姿を街で見かけたという。その父親を探し出してほしいというのが、依頼の内容だ。だが、この依頼をきっかけに、黄昏の時代の闇を見ることになる。
【PS:土岐野ユウカの父を捜す】
プレイヤー1:では、自己紹介をしよう。俺の名前は、日置鉄也。28歳の探偵だ。スタイルは、カブト●、カゼ、フェイト◎だ。
プレイヤー1(以後、テツヤ):新宿に、ガレージ兼事務所を構えている。
RL:ガレージ兼事務所ですか。
テツヤ:ああ、相棒のゴーストライダーをしまって整備できるようにね。
ゴーストライダーというのは、アメリカンバイク(長い直線道路を巡航する大型バイクの車種。クルーザーともいう)のデータである。今回のリプレイ収録にあたり、テツヤのプレイヤーたっての希望で、『TNM』データ担当に用意してもらった。
巻末には、あなたのキャストも使用できるようデータを収録してある。
テツヤ:ビルの一階がバイクガレージになっていて、そこに応接セットを持ち込んで探偵事務所にしている。その二階が、俺のプライベートな居住スペースになっている。
RL:……なかなか個性的な事務所ですね。
テツヤ:カゼを持っていることの表現だ。ライダースーツ姿で、相棒の鉄の馬でトーキョーを駆ける……そんなスタイルの探偵さ。
プレイヤー2:ワイルドねー。
RL:タフな探偵をイメージしますね。カブトがキーだけに。
テツヤ:カブトがキーなのは、理由がある。俺は、かつてはSPだった。
RL:SP、セキュリティポリス……つまり、要人警護の警官だったんですか。
警視庁警備部警護課で、要人警護の任務を専門に従事する警察官をSPと呼ぶ。アメリカ大統領を警護するシークレットサービスを手本に組織された。『TNM』の世界では、NBIに所属する。
緊急事にはその身体を盾にして要人を守るため、身長一七三センチ以上、武道や射撃、英会話など一定以上の条件を満たした警官の中からされ、特殊な訓練を受けた上で、さらに優秀なものから選抜されるプロ中のプロだ。
RL:しかし、そんなプロがどうして探偵に?
テツヤ:護衛任務中、同僚の友人がスカーレットに狙撃されて任務に失敗した。
RL:おお、スカーレットに。ルールブックのパーソナリティにも掲載されている、凄腕女性スナイパーですね。
テツヤ:SPもNBIに再編されただろうから、俺はNBI出身ってことになるな。
RL:警視庁が道府県警と同等になるわけですから、そうなっているでしょうね。
テツヤ:そのとき、NBIの捜査に限界を感じてな。組織を飛び出し、探偵業という自由に動ける身分で友人の仇を捜しているってわけだ。
RL:なるほど。
プレイヤー3:ハードボイルドな感じですねー。
プレイヤー2:かっこいい~!
テツヤ:それに、友を撃たれたときに思い知ったのさ。警察じゃ捜査できないこと、警察じゃ護れない人たちもいるってな。だから、俺はそんな人たちの力になるためになろうと思っている。そのためにNICの鑑札も取得した。これで、正規の探偵として依頼を受けられる。
NIC
日本探偵協会(Nippon Investigation Council)の略称。私立探偵を監督および保護する目的の一般社団法人であり、NICの鑑札を所持しているということは、正規の探偵としての信用と資格が保証されているということでもある。
RL:NIC加盟の探偵ですから、女子高生も依頼にやってこれます。
テツヤ:今回の依頼人だな。ちなみに、どういう娘なんだ?
RL:おとなしそうな、ごく普通の女子高生です。黄昏の時代とはいえ、高校生が探偵に依頼してくるというのはよほどのことですね。
テツヤ:確かにな。
RL:その辺の事情も、アクトで語っていきます。
テツヤ:わかった。俺の自己紹介は、こんなところでいいだろう。
RL:はい、ありがとうございました。では、次のハンドアウトです。
●カタナ:橘エリカ
▼キャスト②用ハンドアウト
コネ:土岐野ユウカ 推奨スート:ダイヤ
キミはこの街のフリーランスだ。アマンダ・アインスブルクから、土岐野ユウカという女子高生という名を告げられた。彼女の周辺で、何らかの事件が発生するのだという。その事件による犠牲者を防ぐのが、アマンダの依頼の内容だった。
【PS:事件の犠牲を防ぐ】
プレイヤー2:じゃ、さっそくキャスト②の自己紹介をしまーす。
RL:はい、お願いします。
プレイヤー2:名前は、橘エリカ。スタイルは、カブキ、マネキン◎、カタナ●でーす。表向きの職業は、パリピ♪
プレイヤー一同:パリピ!?(笑)
プレイヤー2(以下、エリカ):そうそう、パーティピーポーの略よ。
テツヤ:それって、職業なのか?
エリカ:トーキョーの夜に、あちこちのパーティに出没する、明るくて楽しい二十歳の女の子で~す。
テツヤ:で~す、じゃねぇ(笑)。どんな人物か、ちっとも分からん。
プレイヤー3:まぁ、マネキンっぽいと言えば、っぽいじゃないですか。
エリカ:夜の仕事をする女なの。まぁ、右手の爪の下に仕込んだ真っ赤なカミソリで、血の雨を降らせるという意味の、夜の仕事だけどね(はぁと)。
テツヤ:はぁと、じゃねぇ(笑)。裏の顔は殺し屋ってことか。カタナがキーだし。
エリカ:非合法な行為は、殺しもね、いとわないけど殺し専門ってわけじゃない。
RL:ストリートの荒事屋ですね。ある意味、基本に忠実で、ありがたいです。
エリカ:ハンドアウトは女子高生の身辺調査だけどアマンダさんからの依頼って、だいたい事件が起こるでしょ?
アマンダ・アインスブルク
特定の人物のデータを見せて、その人物で近い将来起こる事件や犠牲者を未然に防いでほしいと依頼する謎の有閑マダム。限定的ながら都市監視システムにアクセスでき、事件や犯罪の発生が予測されると犠牲者を未然に救おうと介入を試みる。
その人物の周辺で事件が発生することまでは予見できるのだが、事件の内容はもちろん、その人物が被害者なのか加害者なのかも判明しないのである。
エリカ:見た目は、明るく楽しいパリピ。でも、お金をもらえば、危ないことでもタフにこなすよ♪
RL:けっこうです。
エリカ:あと、いつもど派手な“すごい服”を着てるよ。露出高目で、身体のラインもぴっちりなやつ。
プレイヤー3:それはすごい、本当に(笑)。
すごい服は、実際にデータになっている。
着ていると登場判定という、場面に登場するための判定に修正があるのだ。
どうすごいのかの形状は、このアウトフィットを取得するプレイヤーが決定していい。
夜のトーキョーで紅く鋭い爪を仕込み、艶めかしいボディラインのシルエットを映して舞う荒事屋……。
なかなか絵になるキャストではないだろうか?
テツヤ:これもまた、トーキョーのプロフェッショナルが持つひとつの形だな。
エリカ:いいでしょ? あたしの自己紹介は以上ね。
RL:はい。では、次のハンドアウトです。
●クグツ:唐巣サブロー
▼キャスト③用ハンドアウト
コネ:“黄昏の亡霊”東誠一 推奨スート:ダイヤ
キミは、内閣情報調査室に所属するエージェントだ。内閣情報官の矢田ケイスケから、テロリスト“黄昏の亡霊”東誠一の調査を命じられた。彼は、今までNBIの捜査を掻い潜って潜伏していた。しかし、関連事件の時効を目前にしてふたたびトーキョーに姿を現わした。何故、今なのか? その目的を調査し、治安と秩序を守らねばならない。
【PS:“黄昏の亡霊”を調査する】
プレイヤー3:では、私の自己紹介を始めましょう。私の名は、唐巣サブロー。年齢は三〇歳としておきます。職業は、内閣情報調査室の情報処理官です。もっとも、そんな部署は存在しないことになっていますが。
内閣情報調査室情報処理部門
内閣総理大臣直属の情報機関。さまざまな情報を分析して総理大臣に報告する。活動内容は公開されていないが、いわゆるスパイ活動を行なっている。
日本の情報活動は遅れが指摘されていたが、黄昏の時代に入って組織再編と強化が行なわれた。
つまり、スパイアクション映画さながらの活躍をする工作員たちが所属する部署となっている。
RL:唐巣サブロー……。内閣情報官の上司が“八咫烏”矢田ケイスケだから、同じ“カラス”で合わせか感じですねー。
プレイヤー3(以後、唐巣):意識しました。遠い親類か同じ一族という設定です。スタイルは、バサラ、クグツ◎、カゲ●。私はバサラなので、風を操る超能力も使えるのです。
エリカ:へえ、すごいじゃなーい。
“黄昏の時代”では、超能力や魔術、幽霊や妖怪の類といった超常現象は実在している。
しかし、存在はしているが世間では空想や迷信として扱われ、政府機関も認めていない。
唐巣のシャドウであるバサラのスタイルは、念力や事象を操る超常の力を持つことを表わす。
そして『TNM2』に掲載されている〈元力:疾風(正)〉というスタイル技能を取得し、風を操って攻撃することもできるのだ。
唐巣:矢田さんも、バサラのスタイルを持っているから、代々日本で同じバサラの血統を持つ一族という設定を考えました。
RL:ええ、いいと思います。何か矢田さんにも深い設定がありそうだ(笑)。
唐巣:外見の特徴はこれといってなく、内調の情報処理官として目立たないよう行動します。見えないところで国民の幸せと安全を守る、それが私の信念なのです。
エリカ:だから、キーがカゲなのね。
唐巣:あくまでも影に……私の仕事の基本ですから。自己紹介は、以上でよろしいですか?
RL:はい、ありがとうございました。
以上の三人が、今回のアクトに参加するキャストである。
キャストの自己紹介を終えたところで、キャスト間コネクションを取得する。『TNM』では、人間関係は〈コネ〉という技能で表わされる。
キャスト間で〈コネ〉を結んでおくと、キャスト同士がアクト中に連絡を取ったり会いに行ったり、コンタクトしやすくなる。
今回のアクトでのキャスト間コネクションについては、図を参照してほしい。
では、いよいよ次からオープニングフェイズ、物語の始まりとなる。