『ひねもすTRPG用語集』
 第19話:PCの死亡

ひねもす扉ひねもすTRPG用語集19第19話:PCの死亡
筧:先生、TRPGがしたいです!!
郡司:すればいいだろ。って、誰だよ先生って。
筧:いやいや、なんか、もっと熱く遊びたくないか? 「TRPG王に俺はなるっ!!」ぐらいに!
小野:コラコラ!
泉:(目の下に縦線をいれつつ)なんというTRPGへの情熱……筧君、恐ろしい子。
小野:……泉まで。
トラ:色々混ざりすぎだね(笑)。
筧:というわけで、このページは「ひねもすTRPG用語集」のページだ。読者のみんなは、まず左側の四コマを読んでから、記事を読んでほしい。

 ――本記事を読むにあたって。まずは左の四コマからご覧ください。
 ご覧になりましたか?
 では続きをどうぞ。

郡司:……。PCが死ぬってショックなもんだな。
筧:おや、四コマで、PCを失った郡司君、改まってどうしたんだい?
郡司:ヤケに説明的な台詞だな……。実はゲームだと思って割り切っていたつもりなんだが、思ったよりショックだったんだよ。
トラ:なるほどねぇ。確かになれてない内はPCの死亡はショックだよね。
郡司:そうだな。それにしてもなぜPCは死ぬんだろうな? 魔法とかあって死なないような世界であっても不思議じゃないだろ?
小野:ふむ。では、迷える郡司のために、TRPGのPCの死亡について話してみようか。
郡司:おう、頼むよ。
小野:まず、いくつかのゲームでの、PCが死亡に至る形を紹介しよう。

・アリアンロッドRPG2E(AR2E)
 PCの生命力を表現する数値【HP】がなくなると戦闘不能になる。そこからさらに「とどめを刺される」と死亡する。「とどめを刺された」PCは魔法でも復活しない。

・ダブルクロス The 3rd Edition(DX3)
 PCの生命力を表現する数値【HP】がなくなると戦闘不能になる。そこからさらに「とどめを刺される」と死亡する。
 また、厳密には死亡とは異なるが、PCに強力な力を与えるレネゲイドウィルスにどれだけ侵蝕されたかを表す侵蝕率があり、これがシナリオ終了時に一定の数値以下になっていないと、ジャーム化(人間性を消失)しNPCとなる。

・トーキョーN◎VA The AXELERATION(TNX)
 ダメージチャートで“死亡”の結果がでると死亡。また、特別に強力な能力“神業”によって“死亡”となることもある。このような“死亡”した状態のまま、セッションが終了するとそのPCの死が確定する。
 なお、ダメージチャートには、肉体戦、精神戦、社会戦の三種類がある。これらによって、肉体的な死、精神的な死、社会的な死が表現される。

郡司:死亡にも色々なバリエーションがあるんだな。
小野:そうだな。……実は『DX3』のジャーム化や、『TNX』の社会的な死は、厳密に言うと肉体的な死ではないかもしれない。
郡司:まあ、そうだな。
小野:だが、ここではそれらも「PCの死」として、紹介させてもらった。
郡司:……うーん。確かに、ジャーム化も社会的な死も、そのキャラクターをそれ以降PCとして使用できなくなるな。
小野:ポイントはその「PCの喪失」ということだと思う。もうそのPCで遊べないっていうのは、やっぱり辛いだろう?
郡司:ああ。ちょうど実感したところだ。
小野:TRPGの中でその「喪失感」は、ゲームを面白くするスパイスとして機能しているんだ。
トラ:逆に言うと、PCを失う痛みがあるから、冒険の成功の価値を実感できるのさ。
郡司:そこは直感的だな!
小野:というわけで、PCの死もTRPGを構成する重要な要素なんだ。
郡司:なるほど。そう聞くと、やっぱり今回のPCの死は残念に思えてくるな。
筧:……だけどな。ショックを感じたとしても、あまり引きずらないことも大事だぜ。
泉:落ち込みすぎたり、不平を言ったりして、GMや他のプレイヤーさんに迷惑をかけては、本末転倒ですからね。
郡司:……ああ。そのとおりだ。ゲームは楽しくしないとな。
筧:よっしゃ! じゃあ、これを受け取るんだ!
郡司:(渡された紙を見て)……キャラクターシート?
筧:ああ。次のセッションのために、キャラクターメイキングだ!
郡司:……お前、あきれるぐらい前向きだな(笑)。

 というわけで、今回はここまで!
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