第24話:背景世界
筧:昔々、あるところにおじいさんとおばあさんが居ました。ふたりは山でTPGをしたり、川でTRPGをしたりしました。――めでたしめでたし。
郡司:終わったっ!?
泉:これ以上ないハッピーエンドですね。
トラ:育てた娘が天に還ったり、玉手箱で老人にされたりするバッドエンドよりずっといいよね♪
郡司:ゲーマーっていったい……。
泉:というわけで、このページは「ひねもすTRPG用語集」のページです。読者の皆さんは、まず左側の四コマを読んでから、記事を読んでくださいね。
――本記事を読むにあたって。まずは左の四コマからご覧ください。
ご覧になりましたか?
では続きをどうぞ。
泉:今回のテーマも投稿をいただきました! まずはご紹介しますね。
わたしはTRPGの「背景世界」をテーマにすることを推薦します。やっぱり現実の世界とは異なる世界での冒険がTRPGの魅力だと思うんです。だからそれを実感させてくれる「背景世界」については、触れてほしいというのが正直な感想です。ぜひぜひよろしくお願いします! 埼玉県:ミコッチさん
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泉:投稿、どうもありがとうございます!
郡司:というわけで、今回のテーマ背景世界についてだが……これはどういったものなんだろう。
小野:そうだな……基本的にはルールブックやサプリメントでいうとワールドセクションなどの章で説明される、ルールやデータではない情報で表現されるものだ。
郡司:ん~。具体的にいうとどんなものなんだ?
トラ:例をあげると……。国。自然。都市。組織。地図。パーソナリティーズと呼ばれる人物解説。歴史。――そういった情報が掲載されて、背景世界と呼ばれるものを構成しているんだ。
泉:それに加えて、ルールやデータなどでも、世界設定は表現されていることがしばしばありますね。
筧:魔法のルールやデータ、SF的なメカの運用ルールやデータあたりはそういうのが多いよな。
郡司:なるほど。いわゆるファンタジーものとか、サイバーパンクやスペースオペラみたいな形で言われるゲームの舞台が、世界設定ってことか?
小野:ふむ。いいセンだが、少し違うかな。
郡司:ほう。
小野:郡司の言うそれは“ジャンル”と言った方がいいものだろう。例えば、同じファンタジーものでも、『アリアンロッドRPG 2E』(『AR2E』)と『ブレイド・オブ・アルカナ リインカーネーション』(『BAR』)の特徴は違わないか?
郡司:あ。……確かにそうだな。
泉:『AR2E』は、冒険者がギルドを組んで、ダンジョンなどでのミッションに挑むような世界。逆に『BAR』は、神の力“聖痕”を宿した英雄“刻まれし者”が、欲望を貪る殺戮者と戦うヒロイックファンタジーの世界ですからね。
郡司:…………。ようは世界設定ってゲームごとに違う、ってことだな。
小野:ああ。世界設定はゲームごとに異なり、実に多彩な形を持っている。だが、そう言われても理解しづらいだろうから、もう少し解説してみよう。
郡司:頼む。
小野:TRPGの世界設定は、主に次の三種類に分類できると俺は考えている。
・舞台が現代風の世界設定
・舞台がファンタジー風の世界設定
・舞台が未来風の世界設定
郡司:ずいぶんざっくりとしているな。
小野:うむ。もちろん例外もあるし、それぞれの分類の要素がひとつのゲームに同居しているものもある。
郡司:なるほど。
小野:ここで「舞台が現代風の世界設定」を持つTRPGを三つあげてみよう。
・ナイトウィザード The 3rd Edition(『NW3』)
現代社会では認知されない“魔法”を行使するウィザードたちが活躍する、現代ファンタジー的な世界。
・ダブルクロス The 3rd Edition(『DX3』)
レネゲイドウィルスの力で、超常の力を得たオーヴァードたち。彼らが日常を護るため、人知れず戦いを繰り広げる現代異能バトルの世界。
・ガーデンオーダー(『GO』)
人類の脅威、未知の生命体“ネフィリム”。その対策組織「GARDEN」に所属し、超常的な力を持つオーダー(偏性異能特性体)たちが、彼らから世界を護るために活動する、という世界設定を持つ。
郡司:ほう。この三つもそれぞれ特徴があるな。ただ、PCの能力が魔法に由来する現代ファンタジーの『NW3』に対して、とりたててそういった要素がない『DX3』と『GO』は近い関係にあるのかな?
筧:これがそうでもないんだよな~。
郡司:というと?
小野:実は『NW3』のウィザードも『DX3』のオーヴァードも、一般社会からは隠された存在なんだ。
トラ:対して『GO』のオーダーは、社会全体に認知された存在として活躍している。だから「人と世界との関わり」という意味で考えると、むしろ『GO』の方が他のふたつより遠い存在だっていうこともできるのさ。
郡司:……そう言われて見るとそうかもな。
小野:ま、これは切り口の問題で、別の面から見ればまた違った解釈もあるだろう。重要なことは、それぞれのTRPGは様々な世界設定がある。そしてそれは一見似ている部分もあるかもしれないが、各TRPGごとに独自性を有しているんだ。
筧:なので、TRPGの世界設定は多彩なものがあるわけさ。
郡司:なるほど。
泉:そして、その世界設定の個性にはプレイヤーを楽しませてくれる色々な工夫がつまっているんですよ。
郡司:きっと、その世界設定の魅力を知るには、遊んでみるのが一番いいんだろうな。いきなり多くの情報を覚えるのが苦手な人もいるだろうし。
泉:そのとおり!
郡司:うおっ、なんだ!?
筧:ふっふっふ。TRPGの世界設定の魅力を郡司に教えるべく、色々なゲームを遊び倒そうというのだよ! そのうち、ニューロエイジのスラングを日常生活でもすらすら言えるようになったり、裏界の美少女魔王たちの魅力を微に入り細に入り語り尽くせるようになるから。
トラ:あ~。あるある(笑)。
筧:大丈夫……怖くないし、痛くもないから!
小野:変な誘い方をするな!
郡司:…………。
というわけで、今回はここまで!
なお、次回は最終回となります。
ぜひ、最後までよろしくお願いします。
次回の更新は2016年1月20日の予定。ぜひご覧ください。