『ひねもすTRPG用語集』
 第21話:能力値と特技

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筧:このページは「ひねもすTRPG用語集」のページだ。読者のみんなは、まず左側の四コマを読んでから、記事を読んでほしい。
郡司:お、今回はまともな導入だ。
筧:念のために言うと、四コマは上から下に読んでほしい。間違っても下から読まないでくれよな。
郡司:そこは間違えないから!?

 ――本記事を読むにあたって。まずは左の四コマからご覧ください。
 ご覧になりましたか?
 では続きをどうぞ。

泉:さて、今回の『ひねもすTRP用語集』は能力値と特技がテーマです。今回も投稿を採用させていただいています。

 キャラデータの基本といえば“能力値”。これについて、紹介してみてはどうですか?
東京都:ニシムラタイチさん

 私はキャラクター作成の時、“特技”や“スキル”を取得するのが大好きです。色々なバリエーションのものの中から「これだ!」というのを選びだすのが楽しいですよね。ですので、この“特技”や“スキル”をテーマに取り上げてもらいたいと思います。

千葉県:ずでーでんさん

泉:いつも、投稿ありがとうございます。
筧:というわけで、今回のテーマは「能力値と特技」ということになる。
郡司:ん? なんでふたつの要素をまとめて取り上げるんだ?
小野:うむ、そこには理由があるし、他にも説明しなければならないことがある。そのうえで、ひととおり説明してからの方がわかりやすいので、まずは話を聞いてほしい。
郡司:そうか、なら話を聞こうか。

●“能力値”について
小野:じゃあ、“能力値”から説明をしよう。“能力値”とはそのキャラクターのベーシックな能力、素質を表現するデータだ。ゲームによって異なる部分があるので、注意してほしい。
トラ:中には、「アビリティ」と呼んだり、名称から違うゲームもあるしね。
泉:いくつか“能力値”の例をあげますね。

・『アルシャードセイヴァーRPG』(以下『ALS』)の“能力値”
 【体力】【反射】【知覚】【理知】【意志】【幸運】

・『アリアンロッドRPG 2E』(以下『AR2E』)の“能力値”
 【筋力】【器用】【敏捷】【知力】【感知】【精神】【幸運】

・『トーキョーN◎VA The AXLERATION』(以下『TNX』)の“能力値”
 【理性】【感情】【生命】【外界】

郡司:数も種類も違うのか……本当にゲームごとに違うんだな。で、これは名前のとおり、そのキャラクターの能力が表現されるんだろう?
小野:ああ。身体的能力や知性、運など、キャラクターが持つ基本的な“力”を表現するものと考えてほしい。
筧:ざっくり言うと、【体力】【筋力】が高ければ、白兵戦が得意で、【理知】や【知力】が高ければ魔法に向いている、みたいな感じだな。
郡司:このあたりの構図は分かり易いな。

●“特技”について
郡司:で、“特技”は? 
トラ:“特技”もゲームによって、色々な呼び方をされるよね。『ALS』では“特技”。『AR2E』では“スキル”。『TNX』では“スタイル技能”みたいに。
小野:うむ。それぞれ細かく違いがあるのを承知で言うと、“特技”や“スキル”は、そのゲームでキャラクターが発揮できる特別な技術と考えるといいだろう。
郡司:特別な技術か……。
筧:TRPGのPCは、一般人を超越した力を振るえる“クラス”を取得して、戦士や魔法使いになり、強大な敵と戦うことが多いよな。
郡司:ああ。
筧:で、この“特技”や“スキル”はその“クラス”になると、行使できるようになる特別な技術と考えるとわかりやすいぜ。
郡司:…………ふーむ。戦士系のクラスになると剣の技が使えるし、魔法使い系のクラスになると魔法を使えるってことでいいんだよな。
小野:まあ、そんな感じだ。いくつか例を挙げてみるか。“特技”や“スキル”は本当にバリエーションが豊富なので、これらはあくまで一部の例だと考えてほしい。

・『ALS』の“特技”
 《集中》 精神を集中し攻撃を命中しやすくするアタッカーの特技。
 《スフィアマジック》 魔法の対象を拡大するアルケミストの特技。
 《スナイピング》 的確な狙撃をするガンスリンガーの特技。

・『AR2E』の“スキル”
 《バッシュ》 強力な一撃で相手を攻撃するウォーリアのスキル。
 《ヒール》 神の力で対象の怪我を治療するアコライトのスキル。
 《ファイアボルト》 炎の弾を生み出し、投射する魔術。メイジのスキル。

・『TNX』の“スタイル技能”
 《カマイタチ》 離れた敵を、衝撃波で攻撃するカタナのスタイル技能。
 《障壁》 見えざる障壁によって対象を護るバサラのスタイル技能。
 《ストリームマップ》 ネットワークから情報を取得するニューロのスタイル技能。

郡司:ふーむ。“特技”は、“能力値”に比べると、効果が明確だな。
筧:だからこそ、キャラクターの得意技って感じがしてくるだろ?
郡司:確かに。
泉:これらの“特技”を取捨選択して、自分なりのPCを作るのは楽しいですよね。
小野:なお、“クラス”を持たなくても使える技術もある。“汎用特技”“一般スキル”“一般技能”などと呼ばれるものだな。
トラ:これらは、そのゲームの世界で一般的に使えるものが多く、PCのような特別な力を持たないNPCでも取得することができるね。
郡司:なるほど。キャラクターの持つ技術にも段階があるんだな。
小野:ちなみにその段階のあり方もゲームによって差異がある。『TNX』の“一般技能”は、それがないとより強力な“スタイル技能”の使用に差し支えたり、かなり重要な要素となっているんだ。
郡司:なるほど。とにかく各ルールブックをよく読む必要があるわけだな。……で、結局この“能力値”と“特技”というふたつの要素を併せて紹介した理由はなんなんだ?
小野:うむ。このふたつは、キャラクターが“できること”を表現する能力だからだ。
郡司:できること?
筧:ほら、話したとおり、“能力値”は「力持ち」や「頭がいい」キャラクターを表現するし、“特技”は「剣の技」や「魔法」といった技術の持ち主であることを表現するだろう。
郡司:ああ。ようするに、“能力値”と“特技”はそのキャラクターが得意なこと、つまり“できること”を表現しているというわけか。
小野:そうだな。“能力値”がキャラクターの基本的な力を、“特技”が特殊な技術という区別はあるがな。
郡司:逆に言うと、そのキャラクターが“何ができる”のかは、“能力値”や“特技”を見るとだいたい分かるってことだな。
小野:そういうことだな。
筧:さあ、“能力値”や“特技”について理解が深まったところで、新しくキャラクターを作ろうじゃないか、郡司。
郡司:いきなりだな!? だいたい、次のセッションの予定も決まってないし、当面新キャラクターを作る必要はないんけど……。
筧:甘い! TRPGプレイヤーたる者、いついかなる時にもセッションができるように、自分のキャラを一個小隊ぶんぐらいは用意しておくのは常識だぞ!
泉:そう、常識ですね! わたしは100人ぐらいマイキャラをもってますよ?
郡司:…………マジ?
小野:そんな常識はないから(笑)。

 というわけで、今回はここまで!
 次回もよろしくお願いします。


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