スターズ・エンド

 今回は今冬発売予定の『エイジ・オブ・ギャラクシー』のサプリメント『スターズ・エンド』を紹介します。

『エイジ・オブ・ギャラクシー』はスペースオペラのRPGです。宇宙が身近なものとなっている銀河大航海時代の世界観、ジャンルを遊ぶにはやはり“リプレイ”、ゲームの雰囲気、手続き、ルールの運用手引きとしてのリプレイは有効な手引きとなるでしょう。

 さらにクラスとサンプルキャラクターも追加されます。

鬼人の戦士 呪紋使いの少女

●鬼人の戦士(*)(イラスト左)
 鬼人としての恵まれた体躯、膂力から生み出される破壊力で戦う戦士。鬼人の多くは傭兵として各星系の紛争地域でみずからの腕を活かして戦っています。艤装化の発達による鬼人はより自由に各星系を巡り、みずからの腕を売っています。

●呪法使い(*)(イラスト右)
 呪法教国で伝えられている禁断の技(アート)、呪法はファンタジー小説やアニメの魔法や呪術、オカルトのように術者のアクションや呪文を通じて使われる不可思議な力です。この少女はみずからに刻まれた力ある紋様を利用して、呪法を用います。
※どちらもサンプルキャラクター名は仮のものです。

 追加クラスは、宇宙をまたに活動する旅人にしてエンターテイナーである芸人、孤剣一振りで銀河を渡り歩く“斬艦(奸)一刀”の武芸者、宇宙海賊から指揮官、技術者、呪紋使いそして鬼人という6種類が用意されています。
 もちろん、既存クラスにも特技が追加されます。

 さらに、宇宙船などのPCを強化するデータも用意しました。

 リプレイ、追加データ、シナリオというコンテンツを集め、読み物としてあるいはPCを強化するデータを一冊にまとめてお贈りします。
 それでは最後にリプレイ『アンドロメダへの帰還』のトレーラー(*)をどうぞ。
(*)トレーラー
 実際のセッションに使用した今回予告とは異なります。

■リプレイ・トレーラー
 星々の果てる、銀河辺境(リムワード)宙域。
 まだ開拓も進まない銀河系の最外縁部だ。
 所属不明の殺人機械軍団が、銀河と銀河のあいだに横たわる暗黒の大間隙(ギンヌンガ・ギャップ)より出現した。
 機械軍団は、銀河辺境の一角を支配し、人々をそこから排除していく。
 この脅威に対し合星国(ユナイテッドスターズ)も艦隊を銀河辺境へと派遣する。
 機械軍団の正体は? 銀河の果てで、何をなそうというのか?
 やがて明らかになる、機械軍団の正体と目的。
 このままでは、銀河系は未曾有の災禍に見舞われるだろう。
 彼らを止めることができるのは、四人のリテイナーだけ。
 星々の果て(スターズエンド)に浮かぶ赤色超巨星が決戦の舞台だ。

 エイジ・オブ・ギャラクシーリプレイ『アンドロメダへの帰還』
 銀河に、キミの碑文字(ログ)を刻め。

第201回GFコン参加ありがとうございました。

 昨日の第201回ゲーマーズ・フィールドコンベンションへのご参加ありがとうございました。
 お寒い中、沢山の方にご来場いただけました。セッションは楽しんでいただけたでしょうか?
 次の第202回ゲーマーズ・フィールドコンベンションは、2月15日開催です。
 セッションへの参加はこちらよりお申し込みいただけます。

 それでは、今回もゲーマーズ・フィールドコンベンション参加のワンポイントを。
 よくある質問のひとつ。持ち物などついて。

「コンベンションの参加にあたって、参加するゲームのルールブックは必須? 読み込んでルールを知ってる必要がある?」

 このような質問をよくいただきます。
 参加するセッションのルールブックは、運営側でご用意しておりますので、必須ではありません。
(もちろんご持参いただくのは大歓迎ですよ?)
 また、ルールを知らないゲームへのご参加も大歓迎です。
 困ったときには卓のGMがサポートいたしますのでご安心ください。

 では、何を持っていけばいいのか。
 まず、筆記用具はご用意いただけると助かります。シャープペンシルと消しゴムなど、書いたり消したりできるものが良いと思います。
 また、ゲームに使用するダイスは、貸し出すことも可能ですが、ここはやはりマイダイスの方が気合いが入るというもの!
 幸いコンベンションを主に開催しているのは、イエローサブマリン秋葉原RPGショップの店内なので、お気に入りのダイスを探して買ってしまうのもお勧めですよ?

聖諸侯国の騎士

『エイジ・オブ・ギャラクシー』を紹介する本記事、今回は銀河辺境方向に広がる文明圏“聖諸侯国”について紹介します。

●聖諸侯国
ir_kn_sam 聖諸侯国は、聖教信仰を中心とした封建制の国家群です。聖教教会が聖諸侯国内のゲートを管理しており、各星系における信仰の中心はゲートに存在します。教会の聖職者たちは世俗に関わることをよしとしませんので、居住空間からも離れたゲートという隔絶され、あらゆる勢力から不可侵となっている場所はうってつけと言えました。
 聖諸侯国は封建制を元にした社会制度となっています。星系を支配する領主たちを認めるのはゲートを管理する聖職者(司教位であることが多い)の役目となります。聖職者から破門を受けた者はゲートの通過を認められませんので、領主たちにとって聖職者との関係は非常に重要なわけです。このような事情から星系単位では、領主よりも上位の権威として聖職者が存在します。

●艦船を身にまとう騎士
 領主たちの元には騎士たちが集っています。この騎士階級の人々が艤装した艦を身にまとって戦うことになる。機士たちは鎧や馬具の代わりに先祖代々の戦闘艦を継承するのです。この辺り、機械化藩国と似ていると思われる方もいらっしゃるでしょう。
 それもその通りで、聖地である宇宙都市エクソダスから銀河核方向(コアワード)に宇宙怪獣を追ったのが機械化藩国の祖で、銀河辺境方向(リムワード)に進んだのが聖諸侯国の祖となったのです。ちなみに、聖諸侯国内での考え方の違いで分派した開拓者が銀河逆方向(バックスピンワード)に向かって行き、財閥連合ネビュラを構築しました。
 このように現在の銀河列強を語る上で、聖諸侯国は重要な位置を占めます。

●遍歴の騎士(エラントナイト)
 騎士は戦闘艦と共に、遍歴の旅に出ます。騎士階級にあっても、みずからの領地を持たない遍歴の騎士は、武者修行と称して(自分の領地を求めて)旅立つのです。あるいは聖地である地球への巡礼の旅にでる騎士(修道騎士)も多いようです。
 この旅を通じて、騎士たちはみずからの収めるべき領地を捜すことになります。冒険の結果として領地や姫の愛を得るという騎士物語の再現を狙っているのです。

●次回予告
 次回の更新では『エイジ・オブ・ギャラクシー』の新しい動きについてお知らせできればと思います。なお、更新は次週の金曜日(1/23日)を予定しております。

尚武の国の艦士たち

『エイジ・オブ・ギャラクシー』を紹介する本記事、今回は建国以来、宇宙怪獣と戦い続けている尚武の国“機械化藩国”について紹介します。

●機械化藩国
強弓の武人 銀河核方向(コワワード)に宇宙怪獣の勢力圏“ザ・ネスト”を持つ機械化藩国は、その建国以来、宇宙怪獣と戦い続けている尚武の国です。
 機械化藩国は、武人を上位とした身分社会を構成しています。この社会システムは星系を越えて機械化藩国全体で共通です。この武人の中でも、戦闘艦を艤装化して身につける“艦士”が最上級の身分であるとされます。さらに艦の戦闘能力や大きさも重要な要素です。藩主(*)ともなれば、巨大な宇宙戦艦や航宙母艦を艤装として持っていることを“求められます”。当然、どのくらい強力な艦艇を持っているか、がそのまま家格として通用しますので、小型艦しか持たない藩主は軽んじられる傾向があります。
 ちなみに、藩主たちをとりまとめるのが藩王です。藩王は、藩主を艦隊として運用する司令官というべき存在です。藩王と藩主はいわば封建制の関係にあり、星系という領土の保全を藩王は約束し、代わりに藩主からの忠誠を得るという形です。

(*)藩主
 藩(星系)を版図に収めている武人たちの王のこと。

●サイボーグサムライ
 機械化藩国の武人たちは、みずからの武を誇ることを好みます。かつては、その象徴のひとつがみずからの肉体に残るサイボーグ化手術でした。みずからの機械化された四肢や肉体を誇り、武勇談を披露する切っ掛けとするわけです。もっとも最近は艤装化システムや医療の発達により、重戦闘サイボーグではなくても高い戦闘能力を維持できるようになったため、相対的に艦を持つ艦士の社会的地位が極めて高い状態となっています。
 ちなみにPCは例外なく船を艤装できるので、機械化藩国内では尊重されます。個人戦闘能力が高さは無条件にリスペクトの対象となる世界なのです。

●宇宙怪獣狩り
 機械化藩国の武人たちの主な敵は長らくネストからやってくる宇宙怪獣でした。しかし、地球帰還からの100年で、宇宙怪獣の侵攻先はソル星系を含む、合星国領域となったのです。さて、外敵からの侵略が薄くなった機械化藩国では内戦が頻発するようになっています。これまで宇宙怪獣という共通の驚異の前に押さえられていた藩主同士の関係が争いに発展しているのです。藩主を統べる4人の藩王たちは、その火消しに躍起になっています。
 これがそのまま藩王同士の争いに発展する可能性もあり、戦国時代の幕開けというようなピリピリした空気が機械化藩国を包んでいます。

●次回予告
 次回は聖地と聖諸侯国を紹介します。

財閥連合ネビュラ

『エイジ・オブ・ギャラクシー』を紹介する本記事、今回は財閥連合ネビュラと、その財閥の支配を打ち破ろうとするレジスタンス活動について紹介します。

●財閥連合ネビュラ
銀河を征する列強国のひとつ財閥連合ネビュラはファイブシスターズという異名が示す通り、5つの財閥(血族によって支配、継承される企業体)によって支配されている星間国家です。
ネビュラは、利益追求型の社会で、経済力がおおよそすべての物のバロメータとして用いられています。
弱者は切り捨てられ、富める者はますます富み、貧者は生まれてから死ぬまで貧しいままという格差社会です。機械知性体の大胆な導入や、業務の無人化が進み、企業に所属(終身雇用)されている奴隷社員の数は増える一方です。
さて、そんな殺伐とした暗黒管理社会がネビュラの特徴です。このような世界になってしまったことの一因に財閥トップの多くが碑文字の巨大な力を悪用しているクリーチャーであるということがあげられます。
彼らはみずからを人を超えた超越者であると考え、人類を支配し、搾取する権利があると考えています。元々、ニューワールド星団は、聖諸侯国での宗教戦争から逃れた入植者によって開拓された場所であり、過度な宗教性を排除した結果、唯物主義的な考え方が強まり、その結果として経済が発展、今度は利益至上主義が席巻するという流れの中にあります。

●レジスタンス活動
レジスタンスの闘士 このネビュラにおける財閥の支配を打ち破ろうと、レジスタンス活動に身を投じる者がいます。ネビュラのほぼ全域で、こういったレジスタンス活動が行なわれており、大小さまざまな組織が存在します。平和的な活動から財閥に対するテロ攻撃を行なうテロリスト、レジスタンスを名目にしているだけの宇宙海賊までさまざまな考え方、手法で財閥と戦っているのです。
ネビュラでは、こういった集会の自由や結社の自由は厳しく制限されています。そして、財閥に加わっている企業のほぼすべてでは、財閥に対するサボタージュをテロ行為として認定し、厳しい摘発と弾圧を行なっています。

◆資格者
ネビュラでは、資格者は碑文字によって騒乱を起こす危険な特殊能力者というとらえ方がされており、うかつに資格者であることを明かすとその身に危険が及ぶことになるでしょう。さすがに資格者であること自体が犯罪とはされていませんが、何らかの口実を設けての逮捕や拘留の機会を狙ってきます。
資格者(PC)にとってネビュラの支配地や財閥の影響下にある場所は敵地であると、認識するべきでしょう。

●次回予告
次回は機械化藩国の武人を紹介します。

正義の担い手、連邦保安局

『エイジ・オブ・ギャラクシー』を紹介する本記事、今回はサンプルキャラクター“大統領特務官”と、広大な星間国家の治安を守る連邦保安官について紹介します。

●大統領特務官
大統領特務官 こちらのサンプルキャラクターは大統領特務官。合星国大統領のエージェントとして活動している資格者です。
 普段は開拓宙域の安定のために碑文字の回収やクリーチャー(碑文字によって変質した怪物)の起こした事件の収拾を担当しています。合星国は『エイジ・オブ・ギャラクシー』の主要な舞台となる開拓宙域を含んでいる星間国家で、いくつもの星系国家や惑星国家がそれぞれ国家としての自治権を持った連邦制を敷いています。
 各自治星系は大きな自治権をもっています。これにはいくつかの理由がありますが、もっとも大きいのが、連邦議会で決定されたことを通知、周知されるまでかなりの時間が掛かってしまうという点があります。
 つまり、星系や惑星で起こったさまざまな事件、問題の解決に連邦議会や議員を頼ることができないのです。逆に、連邦全体にかかわるような問題があったとして、持ち帰って、各星系や惑星国家の民意を問うようなこともできません。加盟している国家に強大な自治権が与えられているのと同じように、合星国大統領、そして連邦議会には極めて大きな権限と執行力が与えられています。その権限のひとつが治安維持組織である連邦保安局と大統領の職務代行者である大統領特務官です。
 特にクリーチャーをはじめとした碑文字に関連するトラブルは資格者という特別な才能を必要とするため、大統領特務官も資格者であることが多いようです(PCがその代表格といえるでしょう)。大統領特務官はその権限により連邦加盟国家での行動の自由が認められています。

●連邦保安官
 広大な星間国家の治安を守る治安維持組織、それが連邦保安局、その尖兵として犯罪者と対決する正義のヒーロー、それが連邦保安官です。
 開拓宙域では治安組織どころか行政機関すら未成熟という星が多く、みずからの身を守るのは自分とだけという状態であるのが普通です。
 そうした場所で、犯罪者を狩り出すのが連邦保安官の役割です。大統領特務官は、合星国連邦保安官を兼ねていることが多く(現地で犯罪者を捕縛する権限を持てることと、大統領特務官の身分を明かさずとも同等の行動の自由を得られます)、特務官としての任務が与えられていない場合は、保安官として開拓宙域を巡っている者も多いのです。
 連邦保安官は、開拓宙域におけるヒーローのひとりではあるのですが、本来的によそ者であり、その土地のルールや法をないがしろにして、土地の権力者にしたがわず、みずからの意思あるいは連邦政府とその法、そして大統領の命令で行動する連邦保安官を煙たがる現地政府や王侯貴族(連邦に所属する惑星国家には封建制や王制によって支配されている星もあるのです)も存在しています。
 いちいち、連邦政府や保安局におうかがいを立てていたら犯罪者に逃げられてしまいます。連邦保安官には、犯罪捜査に関する高度な権限を与えられています。それは少人数で活動することが多い資格者の強い後ろ盾となるでしょう。

●次回予告
 次回は財閥連合ネビュラと財閥の暗黒支配に抵抗するレジスタンスを紹介します。