『ひねもすTRPG用語集』
 第22話:リプレイ

ひねもす扉ひねもすTRPG用語集22第22話:リプレイ

筧:(ナレーション風に)西暦2015年。俺たちは突如、宇宙からの声を聞き、TRPGの用語を解説するという使命を受けた。
トラ:壮大な導入だね♪
郡司:ていうか、大げさすぎるだろ!?
筧:……無限に広がるTRPGの可能性を探求するため、今日も今日とて俺たちはセッションを繰り広げる!
小野:おい、使命はどうした!
泉:というわけで、このページは「ひねもすTRPG用語集」のページです。読者の皆さんは、まず左側の四コマを読んでから、記事を読んでくださいね。

 ――本記事を読むにあたって。まずは左の四コマからご覧ください。
 ご覧になりましたか?
 では続きをどうぞ。

泉:今回も投稿をいただきました! まずはご紹介しますね。

 そのうち「リプレイ」を紹介する用語として取り上げてもらえないでしょうか? 私自身もリプレイを手にとってTRPGを知りました。実際楽しいものが多く、TRPGをやるようになった後も、たくさん読みたおしてきました。その魅力とか役割などを改めて確認できれば、と思い投稿させていただきました。
大阪府:砂津丸さん

泉:どうもありがとうございます。また、リプレイに関しては北海道の高専生ナルラさん、千葉県の羅々港さんからも投稿をいただきました。こちらもどうもありがとうございます。
小野:というわけで、今回のテーマは「リプレイ」だ。
郡司:うむ。四コマで小野が一生懸命読んでいたあの本のことだな。じゃあさっそく説明してもらおうか。
小野:うむ。リプレイとはTRPGのセッションの様子を書き起こし、読み物にしたものだ。
泉:お芝居の台本のような形で執筆されることが多く、GMとPCたちの会話の応酬を中心として進行していく物語が描かれています。
筧:で、このリプレイというヤツなんだが……色々な意味で役に立つんだよ。
郡司:役に立つ?
筧:まずは面白い!
郡司:お、おう。
トラ:TRPG好きの僕たちにとってみれば、セッションの様子が臨場感たっぷりに描かれるリプレイが面白いのは当然さ。
郡司:それはもっともだな。
小野:それに初心者にTRPGという遊びを説明するうえでも役に立つな。
泉:TRPGのセッションの様子が、実際に近い形で描かれていますからね。TRPGのことを「GMとPCの会話で進むゲーム」と説明するより、実際のゲームのやりとりを読んでもらった方が早いと言えるでしょう。
郡司:なるほど。
トラ:そのゲームに初めて触れる人のため、色々な解説が豊富なリプレイもあるんだ。
泉:最近だと『トーキョーN◎VA THE AXLERATION リプレイ カラミティボックス』や『ブレイド・オブ・アルカナ リインカーネイション リプレイ 刻まれし者の詩』なんかはそういった初めてゲームに触れる人のためのリプレイとしてリリースされた例ですね。
筧:『ガーデンオーダー』みたいにルールブック内に解説リプレイがあるケースもあるね。

・トーキョーN◎VA THE AXLERATION リプレイ カラミティボックス
http://www.amazon.co.jp/dp/4047291811/ref=cm_sw_r_tw_dp_zNnmwb01Z2GER
・ブレイド・オブ・アルカナ リインカーネイション リプレイ 刻まれし者の詩
http://www.amazon.co.jp/dp/4047306630/ref=cm_sw_r_tw_dp_fOnmwb1YBV6DY
・ガーデンオーダー
http://www.amazon.co.jp/dp/4040707346/ref=cm_sw_r_tw_dp_TOnmwb0KXNB4B

泉:そのほかマスタリングやプレイングの参考にもなりますね。私の場合は、GMがPCに情報を出す色々なパターンが分かってマスタリングの幅が広がった気がします。
郡司:へぇ。
トラ:シナリオのギミックのアイデアソースとしても重宝するよ。GMがしかけた罠の狙いとか、それに対するPCの対応とか、いつ読んでも興味深いね。
郡司:……なるほどな。TRPGをやるなら、リプレイを読んで損はなさそうだな。
筧:そうだろう。そうだろう。
郡司:それに、俺たちの仲間内以外で、どんなセッションをしているのか――ちょっと興味があったんだ。リプレイなら新しい発見がありそうだから、何か読んでみようかな……。
筧:ふっ。めくるめくような読書体験をするであろう郡司の感想が今から楽しみだぜ。
郡司:……な、なんだこのプレッシャーは!?
小野:いや、リプレイは普通に楽しめばいいからな、郡司。

 というわけで、今回はここまで!
 次回もよろしくお願いします。


投稿募集
『ひねもすTRPG用語集』をご覧の皆さん、どうもありがとうございます。
本4コマで取り上げてほしい用語がありませんか? 「こんな用語を説明したらいいんじゃないか?」といった、ご希望がありましたら、ぜひメールにてお寄せください。
投稿はこちらまで↓
webmaster@fear.co.jp


次回の更新は11月12日の予定。ぜひご覧ください。

『ナイツ・オブ・ザ・ドゥーム』⑤
掲載シナリオ

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 10月発売の『ナイトウィザード The 3rd Edition』シナリオ集『ナイツ・オブ・ザ・ドゥーム』の紹介ブログ第5回になります。
 今回は掲載されている3本のシナリオについて今回予告などを紹介させていただきます。いずれの事件もその背後には四騎士たちの隠謀が隠されています。


シナリオ1:猛き銃声の果てに
 このシナリオは、途中である程度の時間経過が存在するため、前後編という特殊な形式となっています。途中にレベルアップが発生しますので、軽いキャンペーンシナリオ的な遊び方が可能になります。

■「猛き銃声の果てに ―前編―」今回予告
 小国パルゴニアでは、独裁者リーベル・イスカンダルが政権を掌握後、反対者を弾圧する圧政が続いていた。
 その背景に、侵魔の力を得た独裁者を倒すべく、抵抗を続けるウィザードたち。
 ウィザードは、革命を勝利に導けるのか?
ナイトウィザード The 3rd Edition
「猛き銃声の果てに ―前編―」
紅き月が昇る時、異界の門が開かれる。

■「猛き銃声の果てに ―後編―」今回予告
 独裁から解放されたパルゴニア。
 しかし、解放者となったジョンは、崩壊を予言する予言者として神格化され、各地で紛争と混乱を引き起こしていた。
 その影で暗躍する、“赤の乗り手”。
 世界は、争いに包まれてしまうのか?
ナイトウィザード The 3rd Edition
「猛き銃声の果てに ―後編―」
紅き月が昇る時、異界の門が開かれる。


シナリオ2:災厄の渦
 シナリオ1「猛き銃声の果てに」で倒された“予言者”。ですが、その思想、組織、そして資金は残っています。白の乗り手が生み、赤の乗り手が育んだ炎は、世界全体をいぶし始めます。その頃、新しい災厄が人類を襲います。今度の敵は“疫病”です。

■「災厄の渦」今回予告
 “予言者”ジョンの残した予言は、各地に災厄を引き起こすきっかけとなった。
 殺人、紛争、飢餓、そして病。
 アフリカで発生した、原因不明の疫病。
 その背後に浮かび上がるのは、災いを振りまく乗り手の影であった。
 
ナイトウィザード The 3rd Edition
「災厄の渦」
 紅き月が昇る時、異界の門が開かれる。


シナリオ3「蒼白の霊廟」
 四騎士たちの目的は最後の騎士である蒼白の乗り手の復活です。大量のプラーナを得た“疫病”はついに蒼白の乗り手の封印を探り当てます。
 蒼白の乗り手の封印、それは巨大なフォートレス。ウィザードたちは先行する侵魔たちを追って、フォートレスへと挑むことになります。

■「蒼白の霊廟」今回予告
 東京で発生した謎の奇病。それは最後の
四騎士を復活させる、策謀の序章に過ぎない。封印がほころび、忘れられた墓所が現出するとき、世界の危機が訪れる。
 ウィザードたちの前に立ちふさがるのは侵魔、そして巨大なる霊廟。
ナイトウィザード The 3rd Edition
「蒼白の霊廟」

紅き月が昇る時、異界の門が開かれる。


 これらの3本のシナリオはいずれも独立したシナリオです。むろん、キャンペーンとして連続して遊ぶことも可能です。
 ぜひ、楽しんでみてください。

『ナイツ・オブ・ザ・ドゥーム』④
“黒の乗り手”────

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 10月28日より配本が開始される『ナイトウィザード The 3rd Edition』シナリオ集『ナイツ・オブ・ザ・ドゥーム』の紹介ブログ第4回になります。四騎士紹介も3人目となります。今回は“黒の乗り手”を紹介したいと思います。
 この黒の乗り手は現在“疫病”という彼女の持つ権能の名前あるいはふたつ名である“黒の乗り手”とのみ呼ばれています。彼女はその肉体と共に固有の名前を失っています。
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■疫病の騎士
 黒の乗り手は“疫病”の権能を持つ四騎士のひとりです。彼女の持つ“疫病”は非常に強力な権能であり、これまで彼女に手によって幾千幾万もの人々が亡くなってきました。この“疫病”の力は近年までベール=ゼファーの手にあり、彼女の手によってさまざまな疫病が表界で蔓延し、人々を苦しめました。そして、“疫病”を通じて、ベール=ゼファーは大量のプラーナを得ていたのです。

●黒の乗り手
 現在の黒の乗り手はベール=ゼファーのくびきから逃れ、自我と力を取り戻しました。しかし、その力を完全なものとする前に、ウィザードたちによってその肉体を奪われてしまいました。現在の黒の乗り手は肉体を持たない“疫病”という力が自我を持った特殊な侵魔として活動中です。
 この黒の乗り手とウィザードの戦いについては『ナイトウィザード The 3rd Edition シナリオ集 オ-バーライト』(ゲーム・フィールド刊)を参照してください。
 この事件を通じて“黒の乗り手”は肉体を失ったのですが逆にいうなら、それは彼女に無形の力を与えました。現在の彼女はみずからの分身あるいは力の一部を与えることで、自身を拡大、感染させることが可能になっている。疫病という概念と化した彼女を駆逐するのは困難を極めることでしょう。

●さまざまな病
 “黒の乗り手”の権能は“疫病”、“飢餓”そして毒です。これらを生み出し、感染させ、拡大する、それが彼女の力であり、役割です。他の騎士たちがみずからの力で、権能を発揮できる状況を生み出して行くのに対して、用意された状況で、もっとも効果的な権能を垂れ流すのが彼女のやり方です。その後の対処も特にせず、病毒が流れるままに成り行きに任せることがほとんどです。それで十分な効果がありますし、疫病に対処すべく決死の活動を行なったり、偏見や不寛容、恐怖や差別などで自滅していく人間を見ることは彼女の大きな楽しみなのです。


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Dr.東美波
「キヒヒ、死体はよいのぉ」
 スプラッタホラーを愛好していた天才少女は、“黒の乗り手”の力を得て禁断の技術、死体蘇生術に目覚めてしまいました。ゾンビウイルスを開発した彼女は死体を操り、自分の研究を進めています。果たして生きた人間をゾンビにすることは可能なのでしょうか。

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ビハインド
「セキュリティが弱いのは、ボクのせいじゃない」
 コンピュータ・ウイルス作成者。すぐれたプログラマーですが、その力はウェブを汚染するウィルスの創造に使われています。彼もまた、ウェブを介して伝播した“黒の乗り手”の力によって汚染されているのです。

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ダークイノベーター
「煽り耐性が低すぎるわね、イタズラしたくなる」
 人の悪意あるいはそれを生み出す情報もまた疫病のように広まっていくものです。ダークイノベーターは、その情報を悪意を持って加工し、汚染する者です。憎悪と偏見を煽り、デマを拡散することで、人々を黒の乗り手の力で汚染しています。


第209回GFコン参加ありがとうございました!

 第209回ゲーマーズ・フィールドコンベンションへのご参加ありがとうございました。
 今回も沢山の方にご来場いただきました。

 前日の土曜日にはKADOKAWA主催のコンベンションも開催されており『アリアンロッドRPG 2E』と『ガーデンオーダー』の卓がプレイされ、こちらも好評であったと伺っています。
 参加された方の中には、土曜、日曜とコンベンションへいらっしゃった方もいるのではないでしょうか?


 次回の第210回GFコンは、11月15日に開催です。
 参加申込はこちら↓のページから、申込フォームをご利用下さい。
http://www.fear.co.jp/convention/gf210.htm

 皆様のご参加お待ちしております。


 さてさて、11月20日に株式会社KADOKAWAから『アリアンロッドRPG 2E』の新しいガイドブック『アリアンロッドRPG 2E アイテムガイド2』が発売になります。
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 こちらには、新しいアイテムに関するルールやデータが満載されているわけですが、その他にも『アイテムガイド2版 ランダムダンジョンルール』が掲載されています。
 より良いアイテムを求めてハック&スラッシュするのは、まさにダンジョンの王道といえるでしょう。
 そこで、第210回のゲーマーズ・フィールドコンベンションのアリアンロッドRPG2E卓では、この『アイテムガイド2』の発売を記念し『アイテムガイド2版 ランダムダンジョンルール』を用いたプレイを行います。
 一足先に『アイテムガイド2』を体験してみませんか?

 また、当日のアリアンロッドRPG2E卓では、キャラクターの持ち込みを可とします。 
 PCを持ち込んでプレイしたいという方は、コンストラクションで作成されたレベル1のキャラクターシートをご持参いただき、当日、卓のGMに確認してください(※出身地域は自由。出身地域のエリアデータを使用可)。
 なお、当日、卓についてからキャラクターを作成することは禁止とします。

 それでは、皆様、奮ってご参加ください!

『ナイツ・オブ・ザ・ドゥーム』③
“赤の乗り手”ルージュ・ボーレモー

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10月発売の『ナイトウィザード The 3rd Edition』シナリオ集『ナイツ・オブ・ザ・ドゥーム』の紹介ブログ第3回になります。前回に引き続き、災厄の騎士たち、そのひとりである“赤の乗り手”ルージュ・ボーレモーを紹介したいと思います。

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■戦争の騎士
 基本ルールブックにも登場する“赤の乗り手”は戦争という権能を持ち、現代世界のさまざまな場所で戦争、テロリズム、暴動を引き起こしています。といっても、彼女自身が軍勢を率いて、攻撃を行なっているわけではありません。白の乗り手と同様に、赤の乗り手も人間自身の手によって人間を間引かせるという行為を好んでおり、戦争という結果を生み出すために、さまざまな工作を行なっています。

●小さな戦争
 赤の乗り手が好んでいるのはテロリストやゲリラによるテロ攻撃、ゲリラ戦といった局地戦。破壊活動を主に行なわせています。それというのも、支配者に強力なカリスマと強圧的な支配を行なわせる白の乗り手の権能と赤の乗り手の力の相性がよかったためです。もうひとつの理由として、いまだにその力が完全な状態ではないという点もあります。赤の乗り手も近年まで封印されていたのです。

●赤の乗り手の封印
 赤の乗り手もまた封印を受けて居ました。白の乗り手と同様に、ルー=サイファーを中心とした悪徳の七王が封印を行なっています。
 しかし、この赤の乗り手の封印は他ならぬルー=サイファーの起こした第三の喇叭事件によって封印は破壊され、彼女は表界に帰還することになります。

■赤の乗り手の策謀
 赤の乗り手は他の三騎士の復活のために活動しています。その活動は一定の成果を上げていて、白の乗り手の力の一部、黒の力“疫病”との協力関係を築くことに成功しています。現在の目的は最後のひとりである蒼白の乗り手の復活にあるようです。


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ロナルド・フェルガン
「平和は血で贖うものだ」
 すでに政界は引退していますが、大物の政治家として知られた人物です。その政治手腕でいくつもの戦争を主導してきました。そのほとんどは現在も続いています。

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アレクサンドラ
「これほどに血をたぎらせるものはない」
 伝説の傭兵。幾多の戦場で死をばらまき続ける思想なき破壊者です。平和を嫌い、現在も戦場で殺しを続けています。
 赤の乗り手は彼女の有り様を愛し、彼女を刻印者とした。

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弓天使
「……地に愛を、人に許しを…」
 赤の乗り手によって生み出された侵魔。人々が感銘を受けやすいように宗教画の天使や人々が聖なる存在をイメージさせるような外見を模している。その力は極めて広い範囲に及ぶ。


『ひねもすTRPG用語集』
 第21話:能力値と特技

ひねもす扉ひねもすTRPG用語集21第21話:能力値と特技

筧:このページは「ひねもすTRPG用語集」のページだ。読者のみんなは、まず左側の四コマを読んでから、記事を読んでほしい。
郡司:お、今回はまともな導入だ。
筧:念のために言うと、四コマは上から下に読んでほしい。間違っても下から読まないでくれよな。
郡司:そこは間違えないから!?

 ――本記事を読むにあたって。まずは左の四コマからご覧ください。
 ご覧になりましたか?
 では続きをどうぞ。

泉:さて、今回の『ひねもすTRP用語集』は能力値と特技がテーマです。今回も投稿を採用させていただいています。

 キャラデータの基本といえば“能力値”。これについて、紹介してみてはどうですか?
東京都:ニシムラタイチさん

 私はキャラクター作成の時、“特技”や“スキル”を取得するのが大好きです。色々なバリエーションのものの中から「これだ!」というのを選びだすのが楽しいですよね。ですので、この“特技”や“スキル”をテーマに取り上げてもらいたいと思います。

千葉県:ずでーでんさん

泉:いつも、投稿ありがとうございます。
筧:というわけで、今回のテーマは「能力値と特技」ということになる。
郡司:ん? なんでふたつの要素をまとめて取り上げるんだ?
小野:うむ、そこには理由があるし、他にも説明しなければならないことがある。そのうえで、ひととおり説明してからの方がわかりやすいので、まずは話を聞いてほしい。
郡司:そうか、なら話を聞こうか。

●“能力値”について
小野:じゃあ、“能力値”から説明をしよう。“能力値”とはそのキャラクターのベーシックな能力、素質を表現するデータだ。ゲームによって異なる部分があるので、注意してほしい。
トラ:中には、「アビリティ」と呼んだり、名称から違うゲームもあるしね。
泉:いくつか“能力値”の例をあげますね。

・『アルシャードセイヴァーRPG』(以下『ALS』)の“能力値”
 【体力】【反射】【知覚】【理知】【意志】【幸運】

・『アリアンロッドRPG 2E』(以下『AR2E』)の“能力値”
 【筋力】【器用】【敏捷】【知力】【感知】【精神】【幸運】

・『トーキョーN◎VA The AXLERATION』(以下『TNX』)の“能力値”
 【理性】【感情】【生命】【外界】

郡司:数も種類も違うのか……本当にゲームごとに違うんだな。で、これは名前のとおり、そのキャラクターの能力が表現されるんだろう?
小野:ああ。身体的能力や知性、運など、キャラクターが持つ基本的な“力”を表現するものと考えてほしい。
筧:ざっくり言うと、【体力】【筋力】が高ければ、白兵戦が得意で、【理知】や【知力】が高ければ魔法に向いている、みたいな感じだな。
郡司:このあたりの構図は分かり易いな。

●“特技”について
郡司:で、“特技”は? 
トラ:“特技”もゲームによって、色々な呼び方をされるよね。『ALS』では“特技”。『AR2E』では“スキル”。『TNX』では“スタイル技能”みたいに。
小野:うむ。それぞれ細かく違いがあるのを承知で言うと、“特技”や“スキル”は、そのゲームでキャラクターが発揮できる特別な技術と考えるといいだろう。
郡司:特別な技術か……。
筧:TRPGのPCは、一般人を超越した力を振るえる“クラス”を取得して、戦士や魔法使いになり、強大な敵と戦うことが多いよな。
郡司:ああ。
筧:で、この“特技”や“スキル”はその“クラス”になると、行使できるようになる特別な技術と考えるとわかりやすいぜ。
郡司:…………ふーむ。戦士系のクラスになると剣の技が使えるし、魔法使い系のクラスになると魔法を使えるってことでいいんだよな。
小野:まあ、そんな感じだ。いくつか例を挙げてみるか。“特技”や“スキル”は本当にバリエーションが豊富なので、これらはあくまで一部の例だと考えてほしい。

・『ALS』の“特技”
 《集中》 精神を集中し攻撃を命中しやすくするアタッカーの特技。
 《スフィアマジック》 魔法の対象を拡大するアルケミストの特技。
 《スナイピング》 的確な狙撃をするガンスリンガーの特技。

・『AR2E』の“スキル”
 《バッシュ》 強力な一撃で相手を攻撃するウォーリアのスキル。
 《ヒール》 神の力で対象の怪我を治療するアコライトのスキル。
 《ファイアボルト》 炎の弾を生み出し、投射する魔術。メイジのスキル。

・『TNX』の“スタイル技能”
 《カマイタチ》 離れた敵を、衝撃波で攻撃するカタナのスタイル技能。
 《障壁》 見えざる障壁によって対象を護るバサラのスタイル技能。
 《ストリームマップ》 ネットワークから情報を取得するニューロのスタイル技能。

郡司:ふーむ。“特技”は、“能力値”に比べると、効果が明確だな。
筧:だからこそ、キャラクターの得意技って感じがしてくるだろ?
郡司:確かに。
泉:これらの“特技”を取捨選択して、自分なりのPCを作るのは楽しいですよね。
小野:なお、“クラス”を持たなくても使える技術もある。“汎用特技”“一般スキル”“一般技能”などと呼ばれるものだな。
トラ:これらは、そのゲームの世界で一般的に使えるものが多く、PCのような特別な力を持たないNPCでも取得することができるね。
郡司:なるほど。キャラクターの持つ技術にも段階があるんだな。
小野:ちなみにその段階のあり方もゲームによって差異がある。『TNX』の“一般技能”は、それがないとより強力な“スタイル技能”の使用に差し支えたり、かなり重要な要素となっているんだ。
郡司:なるほど。とにかく各ルールブックをよく読む必要があるわけだな。……で、結局この“能力値”と“特技”というふたつの要素を併せて紹介した理由はなんなんだ?
小野:うむ。このふたつは、キャラクターが“できること”を表現する能力だからだ。
郡司:できること?
筧:ほら、話したとおり、“能力値”は「力持ち」や「頭がいい」キャラクターを表現するし、“特技”は「剣の技」や「魔法」といった技術の持ち主であることを表現するだろう。
郡司:ああ。ようするに、“能力値”と“特技”はそのキャラクターが得意なこと、つまり“できること”を表現しているというわけか。
小野:そうだな。“能力値”がキャラクターの基本的な力を、“特技”が特殊な技術という区別はあるがな。
郡司:逆に言うと、そのキャラクターが“何ができる”のかは、“能力値”や“特技”を見るとだいたい分かるってことだな。
小野:そういうことだな。
筧:さあ、“能力値”や“特技”について理解が深まったところで、新しくキャラクターを作ろうじゃないか、郡司。
郡司:いきなりだな!? だいたい、次のセッションの予定も決まってないし、当面新キャラクターを作る必要はないんけど……。
筧:甘い! TRPGプレイヤーたる者、いついかなる時にもセッションができるように、自分のキャラを一個小隊ぶんぐらいは用意しておくのは常識だぞ!
泉:そう、常識ですね! わたしは100人ぐらいマイキャラをもってますよ?
郡司:…………マジ?
小野:そんな常識はないから(笑)。

 というわけで、今回はここまで!
 次回もよろしくお願いします。


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次回の更新は10月29日の予定。ぜひご覧ください。

『ナイツ・オブ・ザ・ドゥーム』②
“白の乗り手”ブラン=キリエルヒア

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 10月発売の『ナイトウィザード The 3rd Edition』シナリオ集『ナイツ・オブ・ザ・ドゥーム』の紹介記事。
 第2回となる今回はシナリオのタイトルでもある災厄の騎士たち、そのひとりである“白の乗り手”ブラン=キリエルヒアを紹介したいと思います。
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■封印されし四騎士
 四騎士たちは魔王クラスの強大な侵魔であったが、ルー=サイファーをはじめとした裏界帝国の主立った魔王たちとは折り合いが悪く、“夢見る神”シャイマール封印後にルー=サイファーが裏界帝国を継承するにあたって、この軋轢は表面化しました。
 四騎士と魔王たちは戦い、敗れた四騎士たちは魔王により封印を受けることになったのです。

●白の乗り手の封印
 白の乗り手の封印は、ルー=サイファーが中心となって行なわれたようです。その力は複数(四つとも七つとも)に分けられ、表界のさまざまな場所に分割して封印されることになりました。分けられた白の乗り手の最後のひとりだけは、封印されずルー=サイファーの手元に部下(奴隷)として残されていました。支配の権能、その力をルー=サイファーは、表界のコントロール、および裏界帝国の実務に用いたのです。

●白の乗り手の権能
 四騎士はその力で人類を適正な数に間引くことを“皇帝”シャイマールに命じられました。支配、すなわち、他者に影響を与え、みずからにしたがわせる力を彼女は持っています。支配するものは広いところでは国家、狭いところではTVのチャンネル選択権まであらゆるもの、人、状況をコントロールし、支配する力を与えます。
 彼女の力を手にした者は、支配者となります。そして支配者と支配者がぶつかり合ったらどうなるでしょうか。それは人類の歴史を見れば明らかでしょう。そう、争いが始まるのです。

■現在の白の乗り手
 各地で暗躍し、その権能を持って、さまざまな人間に信奉されています。さて、そんな白の乗り手の配下、その力を使う者たちを紹介しましょう。


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エンリコ・プーチ
「情報を征する者は世界を支配するのだ」

 白髪交じりのイタリア人は、世界でもっとも知られる投資家、実業家のひとりです。特に数多くのマスメディアに投資し、いくつもの大企業をその支配下に置いています。
 カリスマ的なリーダーとして、ワンマンな独裁者であることを隠していません。


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ソフィア・デ・バルサモ
「本当に興味深い、お話しですわね」

 バルサモ王国唯一の王位継承者。まさに深窓の令嬢です。年齢的にも公務を行なうこともあまりなく王家とマスコミの間で協定が結ばれているため、報道に登場することもまれです。国内ではともかく、海外ではあまり知られていません。


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偽りの希望
「この輝きこそ……上に立つ者の証」

 高貴な輝きを持つ美しい宝石。古来より多くの人々がその輝きに魅せられてきました。宝飾品の数々はその美しさで身につけた人を飾り立て優れた人物であるかのように錯覚させます。
 この呪われた宝石は、身につけた者の魂を支配し、数多くの悲劇を生み出してきました。

『ナイトウィザード The 3rd Edition』新シナリオ集発売!

『ナイツ・オブ・ザ・ドゥーム』10月末発売!

 10月になりました。めっきり秋めいた気候となり、などと書いていたら、深夜は台風みたいな風と雨でしたね。

 さて、この10月に『ナイトウィザード The 3rd Edition』のシナリオ集『ナイツ・オブ・ザ・ドゥーム』が発売になります。『ゲーマーズ・フィールド 19th Season Vol.6』では『フォーホースメン』と紹介されていますが、改題されました。

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 今回は、内容について簡単に紹介しますよ。

■破滅の四騎士
 本書では四騎士と呼ばれる侵魔たちをテーマにしたシナリオを3本掲載します。
 それぞれのシナリオは、四騎士たちがもたらす人類破滅の隠謀とそれに抗うウィザード(PC)の戦いを描いています。
 果たしてウィザードたちは、四騎士たちのもたらす破滅を防ぎ、世界(ファー・ジ・アース)を守ることができるのでしょうか。それはあなたの手にかかっています。

■シナリオ作成ツール
 シナリオの作成に関してルールとチャートを用意している。
 テンプレートとシナリオに登場するNPCのランダム作成のためのルールとチャートを用意している。既存の萌えヒロイン作成ルールとの組み合わせも効果的です。
 さらに、ボスキャラクターのためのテンプレートとエネミー特技などを掲載している。
 これらを組み合わせて活用することで、あなたのシナリオ作成をアシストしてくれるでしょう。