『ひねもすTRPG用語集』
 第17話:戦闘

ひねもす扉
ひねもすTRPG用語集17第17話:戦闘
筧:皆さんお待ちかね! ひねもすTRPGファイトの開幕だ!
一同:何!?
筧:青コーナー、眼鏡シスターLOVE男・小野秋成! 赤コーナー、エターナル初心者・郡司良一!
小野・郡司:勝手なリングネームつけんなっ!?
泉:ていうか、このコーナーバトルものじゃないですよ?
筧:ふっ、今回のテーマ戦闘にそった演出ってヤツさ。会場もあったまったろ。
トラ:ていうか、無駄に暑苦しくなっただけだよ。
筧:あっはっは。では、本題。このページは「ひねもすTRPG用語集」のページだ。読者のみんなは、まず左側の四コマを読んでから、記事を読んでほしい。

 ―――というわけで、まずは左の四コマからご覧ください。
 ご覧になりましたか?
 では続きをどうぞ。

小野:なんか、筧のノリに疲れたが、今回のテーマは戦闘だ。
郡司:そう言われても、漠然としているな。戦闘といっても、剣と魔法だったり、銃撃戦だったり、メカにのって戦ったり……色々あるんだろ?
小野:まさにそのとおり。それこそTRPGごとに、様々な戦闘の形態がある。
トラ:ルールも違えば、使える武器・防具のデータや、戦闘に使える技・能力など、本当に多数のバリエーションがあるんだ。
小野:まずは色々な戦闘の例を以下にあげよう。

・剣と魔法を使った戦闘
 『アリアンロッドRPG2E』『アルシャードセイヴァーRPG』など。
・銃器を使った戦闘
 『トーキョーN◎VA THE AXELRATION』『トワイライト・ガンスモーク』など。
・ロボットなどメカニックによる戦闘
 『メタリックガーディアンRPG』『ドラゴンアームズ改 バハムートライジング』など。
・ネットワーク上での戦闘
 『トーキョーN◎VA THE AXELRATION』『トワイライト・ガンスモーク』など。
・精神戦、社会戦など特殊な戦闘。
 『トーキョーN◎VA THE AXELRATION』など。

郡司:へぇ。本当に色々な戦闘があるんだな。
小野:戦闘はゲームごとに特徴が出てくる要素だからな。詳細について興味がある方は、それぞれのルールブックを確認してほしい。
筧:上の例で言うと、俺はロボットを使った戦闘が今一番、燃えるんだよな。とにかく派手になるし!
泉:わたしは戦闘では、強力な魔法が決まった時が好きですね。
トラ:ボクは戦術で敵をうまく抑えた時に快感を感じるね。
郡司:なるほど。みんな好みがありつつも、なんだかんだ戦闘を楽しんでるんだな。
泉:セッションの盛り上がりどころですからね。
郡司:そうだよな。俺の少ないTRPG経験の中でも、クライマックスの戦闘はドキドキすることが多かったな。
筧:……なるほど。では、郡司。お前はなぜ、戦闘はドキドキして盛り上がるんだと思うんだ?
郡司:うーん。剣や魔法を使って派手だし、敵も強いしなぁ。
筧:ほかにないか? ドキドキする理由がさ。
郡司:えーと。あ、やっぱり自分のPCが傷ついたり死ぬかもしれないから……かな。
筧:そう。自分のPCが死ぬ……そういう大事件が起こるかもしれないから、戦闘は盛り上がるし面白いと思うんだ。
郡司:へぇ。たしかに、敵が強そうな時ほどハラハラするよな。
筧:そして、TRPGで自分のキャラクターが死ぬという大事件が起きたら、シナリオの先の展開も変わってしまうだろう?
郡司:ふーむ。戦闘は物語の分岐点でもあるのか。
筧:そういうこと。つまり“戦闘”は、シナリオにおける障害を乗り越えるイベントであり、物語の行く末を決める重要な要素なんだ。
トラ:だから、みんな熱くなるし、盛り上がるんだよねぇ。
郡司:なんとなくだが、戦闘の重要さがわかったきた。
筧:というわけで、日頃からダイス目を良くする訓練が必要なんだ。さあ、郡司、ダイス目の素振りから始めよう!
郡司:お、おお。
小野:怪しげな訓練に郡司を勧誘するな!


投稿募集
『ひねもすTRPG用語集』をご覧の皆さん、どうもありがとうございます。
本4コマで取り上げてほしい用語がありませんか? 「こんな用語を説明したらいいんじゃないか?」といった、ご希望がありましたら、ぜひメールにてお寄せください。
投稿はこちらまで↓
webmaster@fear.co.jp


次回の更新は8月27日の予定。ぜひご覧ください。

第207回GFコン参加ありがとうございました

 第207回ゲーマーズ・フィールドコンベンションへのご参加ありがとうございました。
 今回も沢山の方にご来場いただきました。
 次回の第208回GFコンは、9月20日に開催です。
 8月のGFコンは、JGCの開催に伴い代替としてお休みとなりますのでご注意ください。
 〆切まで1ヶ月間が空くことになりますので、参加申込をお忘れなく!

 参加申込はこちら↓からどうぞ。
http://www.fear.co.jp/convention/gf208.htm


 さてさて、208回(9月)のGFコン参加申込をご覧になった方は、頭に『?』が浮かんでいるのではないでしょうか?
 それもそのはず。8月から9月にかけて新作TRPGが発売になるため、208回GFコンでは、実に3つの新作が登場いたします。
 ここで、順に紹介していきましょう。

●『サイキックハーツRPG The 2nd Edition』(ゲーム・フィールド刊)
 こちらは、8月発売予定。『サイキックハーツRPG』の第2版。
 現代日本を舞台に、世界を裏から支配している「ダークネス」と、それに対抗しうる存在「灼滅者(スレイヤー)」との戦いを描く異能力バトルRPGです。
『サイキックハーツRPG The 2nd Edition』では、原作となっているPBW『サイキックハーツ』からキャラクターをそのままコンバートできるのはもちろん、より遊びやすくルールをブラッシュアップ。
 また、PBW『サイキックハーツ』に合わせて新規のデータが追加。
 新たなルーツとして、都市伝説や怪談を力にする『七不思議使い』。新たなサーバントとして、翼の生えた猫『ウィングキャット』。新たな殲術道具として、巨大十字架型の戦闘用碑文『クロスブレイブ』や、意思を持った布『ダイダロスベルト』、『交通標識』、『怪談蝋燭』が追加されています。

●『ブレイド・オブ・アルカナ リインカネーション』(株式会社KADOKAWA/エンターブレイン刊)
 こちらは、9月発売予定の『ブレイド・オブ・アルカナ』の第4版。
 剣と魔法の世界で、“聖痕(スティグマ)”を持つ“刻まれし者(エングレイブド)”となって、闇に囚われた“殺戮者(マローダー)”と戦うヒロイックファンタジーTRPGです。
 時を超えて転生した者同士の因縁を描く“前世邂逅表”。“刻まれし者”が持つ“奇跡”に与えられた“ふたつの力”。新たなルールを追加し『ブレイド・オブ・アルカナ』が新生します。
 もちろん、付属されるタロットカードは、田口順子先生による新規描き下ろしです!

●『ガーデンオーダー』(株式会社KADOKAWA刊)
 こちらは、9月発売予定の完全新作のTRPGです! デザイナーは、『ドラゴンアームズ』の久保田悠羅。
 舞台は、我々の住む地球とよく似た世界。そこでは、“ネフィリム(降魔)”と呼ばれる魔物が跋扈していた。
 ネフィリムは人類の天敵ともいえる存在で、普通の武器はほとんど効果がない。だが、そんなネフィリムに唯一対抗できる者たちがいる。それが特性能力を使う“オーダー”たちである。
 プレイヤーはこの“オーダー”となって、ネフィリムとの戦いに身を投じていく。
 d100(10面体2つ)を使用した明快な判定など、遊びやすさを重視したシステムとなっています。
 是非、ご期待下さい!

 これらは9月初頭に開催の『JGC2015』や、8月末発売予定の『ゲーマーズ・フィールド 19th Season Vol.6』などで詳細な情報が公開されていく予定です。
 これら情報が公開された後でも、208回の参加申込は間に合いますので、ゆっくりと選んでからでも大丈夫です。

『ひねもすTRPG用語集』
 第16話:クラス

ひねもす扉

ひねもすTRPG用語集16 第16話:クラス
筧:TRPGをやるべきか、やめないべきか、それが問題だ。
小野:今度はハムレットか(笑)。
郡司:って、選択になってないぞ!?
筧:そう! 俺にはTRPGをやる選択肢しかないってことだぜ! というわけで、このページは「ひねもすTRPG用語集」のページだ。読者のみんなは、まず左側の四コマを読んでから、記事を読んでほしい。―――というわけで、まずは左の四コマからご覧ください。
ご覧になりましたか?
では続きをどうぞ。
泉:ちなみに、今回もいただいた投稿の中からテーマをピックアップしています。

 『ひねもすTRPG用語集』をいつも楽しく読んでいます。これまでのバックナンバーを見て思ったのですが、“クラス”について説明があってもいいのかもしれませんね。コンシューマーRPGを遊んだりして、なんとなく言葉の意味を把握している人も多いと思いますが、だからこそ取り上げてもいい用語なんじゃないでしょうか。

東京都:幻灯屋鋪さん

泉:幻灯屋鋪さん、投稿どうもありがとうございます!
小野:というわけで、今回の『ひねもすTRPG用語集』のテーマは“クラス”だ。
郡司:“クラス”についての話か……。冒頭の4コママンガのように、戦士、魔法使い、僧侶、盗賊、ハッカー、ロボット、パイロット、吟遊詩人、忍者など色々な種類があるんだよな。
小野:うむ。TRPG全体で考えたら、とてつもない数のクラスが存在するんだ。そして、この“クラス”という概念は、TRPGごとに切り口が違う。なので、詳細については各TRPGの“クラス”の説明を読んでほしい。
郡司:な、なるほど。
小野:そこで、ここではTRPGの“クラス的なもの”の考え方について説明させてもらうことにしよう。
郡司:分かった。“クラス”ってPCの“職業みたいなもの”だよな。
小野:そうだな。“職業みたいなもの”という切り口のクラスもある。別の切り口の“クラス”についてはあとで説明するから、まずはこのタイプの“クラス”について語っていこう。
郡司:お、おう。
小野:郡司が“職業みたいなもの”と言ったように、“クラス”は現実社会の職業とは異なるものだ。
郡司:そこはわかるよ。
筧:ウォーリアとかメイジとか現実にはいないしな。
小野:そう。筧の例に出した『アリアンロッドRPG 2E』(以下『AR2E』)のウォーリア、メイジなどは、ゲーム中の冒険者としての役割の区分という性格が強いクラスだな。
泉:『AR2E』の代表的なクラスの役割を上げておきますね。

・ウォーリア:白兵戦での攻撃役。
・シーフ:罠解除・捜索などダンジョンで活躍。戦闘もできる。
・アコライト:回復・支援役。
・メイジ:魔法による攻撃・支援役。

小野:そんな感じで、これらのクラスはそれぞれのゲーム上の役割のプロフェッショナルなのだ。
郡司:なるほど。
小野:次に『AR2E』とは別の例をあげよう。
郡司:別の例?
小野:次にあげるのは『アルシャードセイヴァーRPG』の一部のクラスだ。

・レジェンド:不可能を可能にし、運命を切り開く力を持つ者。
・フォックステイル:お稲荷様の眷属であるキツネ人であることを表わす。
・ワード:地上に生まれ落ちた神の転生体であることを表わす。

郡司:あ、確かに『AR2E』とは違う感じがする。
小野:そう。例にあげた『AL2』のクラスは、“キャラクターの個性を表現する”という切り口で作られたクラスと考えてくれ。
郡司:うーむ。なるほど確かに色々あるんだな。
小野:まとめると。“クラス”とは、ゲーム的な役割やキャラクターの個性など、PCを表現する根幹をなすデータだと、俺は考えている。
筧:戦士とか、僧侶とか言われれば何ができるかは分かる。キツネ人や、神の転生とか言われればその個性も伝わってくるよな。
小野:繰り返しになるが、このクラスについても各ゲームごとに様々なバリエーションがあるし、例にあげた切り口とは異なるものも存在するだろう。
トラ:『トーキョーN◎VA』は、クラスに相当する言葉は“スタイル”と呼ばれているんだよ。
筧:ウィルスの力で超人となったPCをプレイする『ダブルクロス The 3rd Edition』の場合は“シンドローム”と呼んでいるな。
郡司:逆に言うと、ルールブックを読む際、クラス……あるいはクラスに相当するデータの解説を注意して読めば、PCが何ができて、どんな表現をすることが可能か、そのあたりが読み取れるってことかな?
筧:いいセンついてると思うぜ。
トラ:うんうん。郡司君も、TRPGという沼にどっぷりはまる感じが見て取れて、嬉しいよ。
郡司:なんか、ひっかかる表現だな……。


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『ひねもすTRPG用語集』
 第15話:サンプルキャラクター

ひねもす扉ひねもすTRPG用語集15第15話:
サンプルキャラクター

筧(以下、TRPG用語マン):(さっそうと現われ)俺は、「人呼んでTRPG用語マン!」
郡司:誰だよ!?
小野:人呼んでといいつつ、自称だろ。
TRPG用語マン:TRPG用語マンは、人知れずWEB上に現われ、TRPG用語を解説し、疾風のように消える、正義のヒーローだ!
郡司:…………。
トラ:カッコイイね、TRPG用語マン!
TRPG用語マン:「ひねもすTRPG用語集」のページだ。読者のみんなは、まず左側の四コマを読んでから、記事を読んでくれたまえ!
泉:ありがとう、TRPG用語マン♪
郡司:……意外と、泉もノリがいいんだな。

 ―――というわけで、まずは左の四コマからご覧ください。
 ご覧になりましたか?
 では続きをどうぞ。

小野:さて、今回はサンプルキャラクターについて話をしよう。
泉:ちなみに、今回もいただいた投稿の中からテーマをピックアップしています。

 私は、古いゲーマーで、サンプルキャラクターというものにはなじみはありませんでした。ですが、実際使ってみるとこれがなかなかに便利なものだ、と感心した記憶があります。そこで、このサンプルキャラクターを解説する用語に取り上げてみてはいかがでしょう?

東京都:畝傍さん

泉:畝傍さん、投稿どうもありがとうございます!
小野:というわけで、サンプルキャラクターについて話していこうか。
郡司:そういえば、俺が初めて遊んだ時もサンプルキャラクターを使ったな。
筧:あの時はいきなり、TRPG初心者をセッションに誘ったんだよな。無茶やったなぁ(笑)。
郡司:おい!(笑)
筧:あっはっは。そんなことができたのも、サンプルキャラクターがあったからこそだぜ。
郡司:そうつなげてきたか(笑)。確かに、名前や年齢、性別、さらに一部の表を振っていたら、それほど時間もかからず、自分のPCができあがったのを覚えているぞ。
小野:うむ。まあそう言ってるだけでは、読者さんにピンとこないだろう。イメージを伝えるために、サンプルキャラクターの実例を紹介しよう。

ar2e_samplecharacter

郡司:あの時も、こんな感じでルールブックのサンプルキャラクターのページを見せてもらって、この“剣の冒険者”を選んだっけ。
筧:だったよな。
郡司:おおまかなデータはこんな感じで、既に決まっているんだよな。
トラ:そうだね。ゲームによって詳細は異なるけど、『アリアンロッドRPG 2E』ではのサンプルキャラクターの場合、「能力値」「スキル」「装備」などのデータは決まっているんだ。
泉:そのあたりのデータを選択し、数値を計算する手間が軽減されていますね。
小野:4コマで触れたとおり、まさに「途中まで作成されているキャラクター」だな。
郡司:ここに、名前などいくつかの項目を埋めれば、PCが完成するんだよな。
小野:うむ。名前、性別、年齢などに加え、経歴や目的を表現するライフパス、さらに外見や特徴などを決定すると、PCができあがるぞ。
トラ:そんな感じで、サンプルキャラクターは、キャラクター作成にかかる時間も短く、データに詳しくない初心者にもうってつけの手法なんだ。
郡司:なるほど。
筧:慣れてきたら、よりディープなキャラクター作成にもチャレンジしてほしいぜ。
泉:キャラ作成はそれだけでも楽しいですからね。
小野:ともあれ、このサンプルキャラクターという手法は、色々なゲームで採用されている。そのうえで、それぞれのTRPGごとに違いがあるんだ。例えば名称も、アーキタイプとかテンプレートとなどと、ゲームごとに違いがあるケースもある。
トラ:サンプルキャラクターのデータを採用していないTRPGもあるしね。
郡司:へぇ。
小野:というわけで、読者の皆さんは自分が遊ぶゲームのルールをよく確認してサンプルキャラクターを運用してほしい。
郡司:またそのオチか!(笑)


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『ひねもすTRPG用語集』
 第14話:NPC

ひねもす扉ひねもすTRPG用語集14
第14話:NPC
郡司:なあ、筧……。
筧:(超棒読みで)ここは「ひねもすTRPG用語集」のページだ。読者のみんなは、まず左側の四コマを読んでから、記事を読んでほしい。
郡司:なにやってんだ?
筧:(超棒読みで)ここは「ひねもすTRPG用語集」のページだ。読者のみんなは、まず左側の四コマを読んでから、記事を読んでほしい。
郡司:……おい。
トラ:ふっふっふ。今回のテーマは「NPC」。彼は、コンシューマーRPGの村人ごっこをやっているようだね。
筧:(超棒読みで)ここは「ひねもすTRPG用語集」の――……。
郡司:……どんだけ、ネタが好きなんだ。
泉:というわけで、この『ひねもすTRPG用語集』は、「四コマ」→「文章」の順で読むようになっていますので、ご了承ください。

―――というわけで、まずは左の四コマからご覧ください。
ご覧になりましたか?
では続きをどうぞ。

小野:さて、今回はNPCについて話そう。
泉:ちなみに、今回の記事の執筆にあたって以下の投稿をいただいています。

 「PCの役割」と来たからには、NPCについても解説があったほうがいいですよね。そんなこと分かってるよって思いがちですが、初心者さんには、そのあたりの違いから区別した方がいいかなって思いまして。

千葉県:多佳リンさん

筧:多佳リンさん、投稿、どうもありがとう!
小野:うむ、基本的なところに視点を向けたいい投稿だと思う。経験者はつい知っていることを当然だと思いがちだからな。
筧:そんなわけで、今回紹介する用語は“NPC”だ。
郡司:基本的なところか……。えーと、PCがプレイヤーキャラクターの略だったけど、NPCの場合はどうなるんだ?
小野:Non Player Character(ノンプレイヤーキャラクター)の略だ。「『トーキョーN◎VA THE AXLERATION』では、キャスト(PC)以外のキャラクターのこと。ルーラー(GM)が担当する」とある。まあ、プレイヤーが担当しないキャラクターというような意味だと思ってくれ。
筧:ようするに、PC以外のキャラクターすべてを指すわけだ。PCでなければ、大人、子供、男性、女性、知性ある動物、ロボット――その他色々ひっくるめてNPC。
郡司:なるほど。
小野:以前の「ひねもすTRPG用語集」でも触れたが、PCはプレイヤーが管理するのに対して……。
郡司:……NPCは、GMが管理するんだろ?
小野:よくわかったな。
郡司:さすがに何度かプレイしていれば、これくらいはな。
小野:そんなわけで、「NPCはGMが管理するキャラクターである」と言えるし「PC以外のすべてのキャラクターである」とも言えるだろう。
郡司:なるほど。
小野:それで、NPCの役割や分類なんだが……。
郡司:「ゲームによって違う」んだろ?
小野:その通りだ。だから自分が遊ぶゲームのルールブックを読んで確認して欲しい。とはいえ……。
郡司:とはいえ?
小野:それだけでは不親切なので、NPCの分類を例をあげて解説してみよう。

●NPCの分類
筧:NPCの分類?
小野:ああ。ここでは『トーキョーN◎VA THE AXLERATION』を例にしてみよう。このゲームでは、NPCを次のように分類している。

・ゲスト
PCと同等か、それ以上の能力値や技能、特技を持つNPCのこと。
・トループ
NPCの一種で、集団として管理されるキャラクターのこと。機動隊、軍隊の一個小隊などを指す。多くの場合、やられ役として登場する。
・エキストラ
能力値や技能などのデータを設定されていないNPCのこと。

小野:これを見て何か気づくことはないか?
郡司:………ふむ。NPCに“段階”がある?
小野:そうだ。じゃあ、その段階は何に拠るものだ?
郡司:……データを持っているかどうか?
小野:そう! データを持っているかどうかによってGM……『N◎VA』の場合はルーラーだが、その扱い方が変わる。
郡司:ふむ。
筧:上の例で言うと“ゲスト”はしっかりデータを持っているから、戦闘で倒すラスボスなどの役割を果たせるんだ。
トラ:“トループ”は雑魚の集団で、やられ役の役割しか持たされていないね。
泉:戦闘データを持っていないエキストラは、例えば通行人やお店の店員さんとか、シナリオ上でPCの相手をする役割を与えられる場合が多いですね。
小野:それを逆手にとり「戦闘データがない=攻撃されると身を守るすべがない」かよわいヒロインとしての役割を、エキストラに与えることもある。
郡司:なるほど。GMはNPCを重要度に応じて管理できるシステムなんだな。
小野:そういうことだ。ちなみに……。
郡司:ちなみに?
小野:この例はあくまで『トーキョーN◎VA THE AXLERATION』の分類だ。ゲームによっては全部のキャラにデータがあるというものもあるから、各ゲームのルールブックを確認してほしい。
郡司:わかったわかった(笑)。
トラ:ちなみに、さっきNPCはGMが管理するって話があったけど……例外もあるよ。……「NPC乗っ取り」とか(笑)。
郡司:「NPC乗っ取り」!?
筧:ああ、アレは俺も好きだぜ。
トラ:通称そう言われている遊び方だけど、NPCのロールプレイをプレイヤーが担当しちゃうんだ。
郡司:そんなことをしていいのか?
小野:ケース・バイ・ケースだな。楽しく盛り上がっているときには効果的だが、嫌う人もいるのでそこはその場の雰囲気に合わせてくれとしか。
筧:まあ、GMの邪魔にならない範囲に収めないとな。


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『ひねもすTRPG用語集』
 第13話:PCの役割(戦闘編)

ひねもす扉ひねもすTRPG用語集13第13話:PCの役割(戦闘編)
筧:このコーナーは「そうだ、TRPGを始めよう!」という人のためのTRPG用語集だ。読者のみんなは、まず左側の四コマを読んでから、記事を読んでほしい。
泉:この『ひねもすTRPG用語集』は、「四コマ」→「文章」の順で読むようになっていますので、ご了承ください。

 ―――というわけで、まずは左の四コマからご覧ください。
 ご覧になりましたか?
 では続きをどうぞ。

小野:今更といってはなんだが、今回は“PC(プレイヤーキャラクター)”についての話をしよう。
郡司:PCというのは“プレイヤーが受け持つキャラクター”のこと……だったな。以前「プレイヤーの役割」の回で軽く話題にでていたが……。
小野:そう。プレイヤーはこの“PC”を介してゲームに参加するわけだ。
郡司:なるほど……といってもちょっと分かりにくいな。
小野:どんなところが?
郡司:「PCを介してゲームに参加」と言われてもピンとこない。
小野:なるほど。じゃあ、こう考えてみよう。TRPGでプレイヤーは自分の思いついたことを好きに選択して遊んでいい。これはわかる?
郡司:……まあなんとなく。
小野:でも、好きに選択したからといって何でもできるというわけじゃない。
郡司:判定に成功しないと「できた」ことにならないんだったな。
小野:そして、その判定に成功するかどうかはダイスのようなランダム要素を除けば……いや、そもそもダイスを振れる能力があるかどうかすら、ある存在によって決まっている。
郡司:なるほど。その「存在」というのがPCってことか。
小野:その通り。PCの能力値、スキル、神業……まあ、なんでもいいけど、PCができないことはプレイヤーはゲーム中に実現できない。
郡司:それが「PCを介してゲームに参加するってことか。

●PCの役割分担の例
小野:ゲームによって色々あるが、大抵のゲームの場合PCの能力には偏りがある。向き不向きがあるということだな。
郡司:なんでそんな偏りがあるんだ?
小野:「PCを介して」ゲームに参加する時に、PCごとに偏り、つまり得意不得意があった方が役割分担が発生するだろう?
郡司:役割分担……ねえ。
小野:もっとも「PCの役割」も、ゲームごとに違う。こんな投稿をいただいたので紹介させてもらおう。
泉:佐賀県のカタンさんにいただいた投稿ですね。投稿、どうもありがとうございます!

 
佐賀県のカタンといいます。7話の流れからパーティーの役割分担(だいたいのゲームにあると感じる)アタッカー、ディフェンダー、ヒーラー、サポーターの解説とかどうでしょう。

小野:―――という投稿だな。これは、戦闘に着目してPCの役割分担を分類したご意見だ。
筧:この投稿で提示されている、戦闘での四つの役割を説明すると、次のような感じになるかな。

・攻撃役(アタッカー)
 白兵・魔法で敵を攻撃。TRPGのジャンルによっては、銃撃やロボットなどを武器にすることもある。

・防御役(ディフェンダー)
 身体を張って味方を守る。重装甲を纏った、防御力の高いPCが担当することが多い。

・回復役(ヒーラー)
 味方を回復する役割。回復魔法や医術を使用する。

・支援役(サポーター)
 味方を支援・強化する。支援魔法や吟遊詩人の歌、軍師の策略、ハッキングなどが多様な支援の形がある。

郡司:これはわかりやすいな。以前遊んだ『アリアンロッドRPG 2E』でも、当てはまるようなクラスがあったし。
泉:いわゆるパーティーを組んで戦闘をするタイプのゲームだとわりと当てはまる感じですね。
小野:だが、あくまでこれは1例にすぎない。
郡司:そうなのか!?
トラ:ゲームによってはPC同士が脚を引っ張り合うことだってあるんだよ。
郡司:そんなこともあるのか!?
小野:だから「TRPGとはこう」と思い込まずに、ゲームごとにルールブックに書かれたPC・クラスの役割などの説明を読むといい。
郡司:またそれか(笑)。
筧:大事なことだからね(笑)。
 
●いただいたご意見に関して
小野:なお、今回紹介した投稿をもとに、担当編集者がツイッターなどでご意見をいただいている。今回の記事の参考にさせてもらっているし、これからの『ひねもすTRPG用語集』でも活用させていただく予定だ。今後もご意見を伺うことがあるかもしれないので、以下のアカウントを注目しておいてくれ。

@kawatana_fear

泉:この件についてご意見を寄せてくれた皆様、どうもありがとうございます。


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次回の更新は7月2日の予定。ぜひご覧ください。

第206回GFコン参加ありがとうございました。

 第206回ゲーマーズ・フィールドコンベンションへのご参加ありがとうございました。
 今回も沢山の方にご来場いただきました。

 今回は、直前に『アリアンロッドRPG 2E スキルガイド2』が発売されたこともあり、『アリアンロッドRPG 2E』卓では特別にランダムダンジョンを採用したシナリオで、キャラクターの持ち込み有りというレギュレーションで開催させていただきました。
 早速『スキルガイド2』の新データを使ったPCをお持ちになった猛者の方もいらっしゃいましたよ。
 GMの関根さん曰く。
『レギュレーションを守っているならどんなPT構成でも受けて立つ!』
 とのことでしたが、幸いにも全員ウォーリアー系や、全員メイジ系などというようなこともなく、ひとまずはバランスの取れたPT構成になったようです。持ち込みPCも、5人中3人が持ち込みというぐらいのバランスでした。


 さて、彼らのダンジョンアタックはどうなったのか?。
 なんと言っても関根GMのランダムダンジョン、一筋縄ではいかなったようで……。
 唐突に出る強敵!
 明暗を分けるギルドサポート!
 襲い来るGMのダイス目! と、波瀾万丈のダンジョンアタックとなったようです。
 参加者の皆様、楽しんでいただけたでしょうか?
 次回の第207回GFコンベンションでも『アリアンロッドRPG 2E』卓は引き続きランダムダンジョンシナリオで、PCの持ち込みありで行われます。あなたも、1ヶ月練りに練ったPCで参加してみませんか?

 次回の第207回GFコンは、7月19日に開催です。
 後半周の『ナイトウィザード The 3rd Edition』卓では、菊池たけし先生がGMで参加予定となっています。
 参加申込はこちら↓からどうぞ。
http://www.fear.co.jp/convention/gf207.htm


 それでは、ゲーマーズ・フィールドコンベンション参加のワンポイント。
 今回も前回に引き続き、『アリアンロッドRPG 2E』卓のお知らせをいたします。

 第207回GFコンベンションの『アリアンロッドRPG 2E』卓では、『アリアンロッドRPG 2E スキルガイド2』の発売を記念いたしまして、ランダムダンジョンを用いたセッションとなります。
 さらに、皆さまの作成したPCの持ち込みを可とします!
 持ち込めるPCのレギュレーションといたしましては……。

 1)コンストラクションで作成されたレベル1キャラクターであること。
   成長点を使ってない、初期状態のキャラクターでお願いします。
 2)出身地域は自由。出身地域のエリアデータを使用しても良い。
   もちろん好評発売中の『スキルガイド2』掲載のデータの使用も可です!
   ただし、地域をまたいでのスキルの取得は不可となりますのでご注意下さい。
 3)ライフパスはRoCで選択しても良いが“00の任意”の取得は不可。
 4)会場での作成は禁止。
   キャラの作成は、卓につくまでに終えていることが条件です。

 以上となります。
 もちろん、PCを作成していなくても、卓への参加は可能です。
 その場合は、サンプルキャラクターをご利用いただけます。
 どのようなPT構成でもGMの関根さんは「その時は、そのまま行きましょう!」と豪語なさってます(笑)
 作成に余裕のある人は、数種類クラスを用意して卓の状況に合わせてキャラクターシートを選択すると良いかもしれません。

『ひねもすTRPG用語集』
 第12話:ダイス・カード

ひねもす扉ひねもすTRPG用語集12第12話:ダイス・カード
筧:「賽は投げられた!」というわけで、TRPG用語集の始まりだ。読者のみんなは、まず左側の四コマを読んでから、記事を読んでほしい。
小野:ほう。今回はシーザーか。
泉:この『ひねもすTRPG用語集』は、「四コマ」→「文章」の順で読むようになっていますので、ご了承ください。

 ―――というわけで、まずは左の四コマからご覧ください。
 ご覧になりましたか?
 では続きをどうぞ。

小野:今回は「ダイス・カード」について話していこう。
郡司:ダイスとカード? 共通点あるのか?
小野:うむ。どちらもTRPGの判定に利用するという点で共通しているのだ!
郡司:ああ、そういうことか。
小野:この『TRPG用語集』では、判定については、触れてきていなかったので、ここで簡単に説明しておこう。

・判定
 キャラクターの行為が成功したかどうかの成否を判断する行為の事です。
 判定を行うタイミングや、その難しさは、GMの判断によって決められます。

郡司:なるほど。「判定につかう小道具」というくくりなら、確かに共通するな。
小野:では、ここでどのようにダイスを判定に使うか、『AR2E』を例にとって解説してみよう。

 『AR2E』の判定では、6面体ダイスを使います。
 キャラクターの能力や状況を表す修正値に、この6面体ダイスを複数振って出たダイス目を足して、達成値と呼ばれる数値を算出します。
 この達成値が、GMの設定した数値以上であれば、その判定は成功したことになります。

小野:おおまかに言うと『AR2E』の判定の基本は、こんな感じになる。
トラ:ゲームによって判定の仕方は異なるから、それぞれゲームごとにルールブックを読んでチェックしてね。
小野:それではここで、いくつかのゲームで判定で使うダイスの種類を紹介しておこう。

・6面体ダイス:『アリアンロッドRPG2E』『アルシャードセイヴァーRPG』など
6men
・10面体ダイス:『ダブルクロス The 3rd Edition』など
10men
・20面体ダイス:『ブレイド・オブ・アルカナ The 3rd Edition』など
20men
・トランプ:『トーキョーN◎VA THE AXLERATION』(以下『TNX』)
trump

郡司:……トランプが混ざってんじゃねーか!
小野:おっと、しまった。正確にはダイスだけでは無く判定で使う道具全般、だな。
泉:先に説明したとおり、ゲームによっては判定にカードを使うものもあります。
郡司:ところで、なんでわざわざカード……この場合はトランプか……を使うんだ?
小野:うむ、いいところに目を付けたな。もちろん理由はある。
郡司:ほう、理由があるのか。
筧:まずダイスの場合、判定の時に振ってみるまで結果はわからないだろう?
郡司:ん? ああそうか。振ってダイスの目を確認するまでは成功なのか、どのくらいの成功なのかがわからない、ということだな。
小野:その点カードの場合……具体例として『TNX』の場合は判定の前に、プレイヤーは自分の持っている手札の中からカードを選んで判定できるのだ。
郡司:……ん? どう違うんだ?
泉:つまり、手札の範囲内だけど、プレイヤーが「成功するか失敗するかを選べる」ってことなんですよ。
郡司:え? わざわざ失敗する理由なんてあるのか?
小野:イザというときのために手元に良いカードを残せるだろ?
郡司:……ああ、なるほど。失敗しておくと、後で有利になる場合があるのか!
小野:そういうことだ。ダイスにせよカードにせよ、判定で使う道具はそれぞれのゲームの個性を決める重要なものだ。
郡司:なるほどね。奥が深いもんだな。


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『ひねもすTRPG用語集』
 第11話:ゲームの準備

ひねもす扉ひねもすTRPG用語集11第11話:ゲームの準備
筧:(シリアスな口調で)今回の本ページをご覧の諸君! 今回の任務を伝えよう。
小野:今度は秘密指令風か……。
筧:まずは左の四コマから読むように。この『ひねもすTRPG用語集』は、「四コマ」→「文章」の順で読むようになっている。なお………。
郡司:なお?
筧:……諸君が本ページを読了すると、自爆するようになっている。気をつけて爆発を回避してくれ。
一同:するかぁっ!?
泉:そもそも何が爆発するんですか!?(笑)
トラ:まあ、秘密指令が自爆するのはお約束だからねぇ(笑)。

 ―――というわけで、まずは左の四コマからご覧ください。
 ご覧になりましたか?
 では続きをどうぞ。

小野:今回は「ゲームの準備」について話していこう。
筧:「ゲームの準備」かぁ。それってTRPG用語になるのかなぁ?
小野:ああ。厳密に言うと違うかも知れないが、これからゲームを始めようという人には役に立ちそうなテーマなので、解説していこうと思う。
筧:郡司がGMをやる時の参考になるだろうしな。
郡司:正直なところ助かる。
小野:で、ぶっちゃけた話になるんだが。四コマで話したとおり、ルールブックには準備するものの説明があるので、まずはそちらを参照してほしい。
郡司:ふむふむ。
小野:特に注意してほしいのは「各ゲームごとに準備するものの内容は異なる」ということだ。
郡司:各ゲームごとに異なる? ……じゃあ、どうすればいいんだ!?
小野:だからこそ、ルールブックの準備するものの説明を読もうって話だ。
郡司:ああ。ゲームごとに準備が異なるから、その違いに気をつけて準備をしようって話か。
筧:そうそう。油断すると、4コマのトラように、判定に使うダイスを間違えるみたいなボケをかますことになるしな。
トラ:役に立てたようで嬉しいよ(笑)。
小野:人間は思い込みで行動するものだからな。セッション前に準備物を確認することは、忘れ物を防止し、スムーズなプレイに一役買ってくれるだろう。
郡司:なるほどな。
泉:例として『アリアンロッドRPG2E』だと、ルールブック2のP168から始まる「ゲームマスターガイド」を読むと、準備するものがわかりますね。
トラ:準備物はルールブックのゲームマスターのやり方を解説する章、あるいは冒頭のゲーム全体の説明をする章に書いてあることがおおいのさ。
小野:―――と、このようにゲームごとに準備物が異なるのを承知のうえで、様々なTRPGで一般的に必要と思われる準備を紹介していこう。
郡司:おう。
筧:まず四コマにあるとおり、プレイヤーを集めるところが必要だな。

・プレイヤー
 参加者、集合時間、プレイ会場の確認を行っておく。

小野:当たり前のようだが、参加者、時間、場所は全員に周知する必要がある。
郡司:複数人で集まって楽しむ、他の遊びと同じだな。
トラ:そうだね。そのうえで、プリプレイなど最初から全員そろった状態で始められた方が都合が良いからね。集合時間・場所などは間違えないようにメール・ネットの掲示板などで回しておくことをお勧めするね。
泉:そうすると、うっかり集合時間を忘れた時などでもすぐに再確認できて助かります。
筧:誰かが遅刻して、ゲームのスタートが遅れたりすると、プレイ時間が減ってもったいないからな。ゲーム時間の1秒は血の一滴ってな!
郡司:どんだけゲームしたいんだ!(笑)
小野:はっはっは。その他以下のようなものを準備することになるだろう。

・ルールブック
・シート類
・筆記用具
・ダイス
・ポーン
・シナリオ

 ―――etc

泉:ルールブックは、ゲームマスター(GM)だけでなく、持っているならプレイヤーさんも持ってくるとプレイがスムーズに進みますよ。
筧:データの参照などが便利になるよな。
郡司:(準備物のリストを見て)ふむ。あ、ポーンってのも必要だよな。
ポーン
筧:敵、味方の位置関係を表現するうえで、便利なコマだ。これもゲームによって必要ないこともあるんだけどな。
小野:その他、シナリオに含まれるものではあるが、以下のようなものが必要となる。

・今回予告(シナリオのイメージを伝える予告編の文章)
・ハンドアウト(各PCのシナリオ上での役割を伝える文章)
・マップ(シナリオ中の状況を伝える地図)

トラ:これらはプレイを円滑に進めるために、PCに見せることを前提とした準備物だね。
小野:ゲーム・シナリオによってこれらがいらないこともある。
筧:そのあたりはGMがケース・バイ・ケースで判断してほしい。
郡司:なるほどな。
小野:さらにサプリメントを用意するケースもある。これは基本ルールブックには掲載されていないことが多いな。

・サプリメント

郡司:サプリメント?
トラ:追加ルールやデータが載っている書籍さ。おおざっぱにいうと、導入することでゲームで遊べる幅が広がるものだと思うといいよ。
小野:ちなみに、サプリメントはGMがそれぞれのセッションで導入するかどうかを判断することになるな。
郡司:ふむ。
トラ:サプリメントを導入することで必要となるものは、そのサプリメント内に紹介されているから、そちらを参照してね。
郡司:ふむ。サプリメントについてはだいたい分かった。
泉:ゲームに直接関係ないところでは、次のようなものも準備するといいと思います。

・プレイをする場所
・お菓子類
・飲み物

小野:プレイをする場所は各プレイグループの環境に応じた適切な場所を選ぶことになるな。
筧:俺たちは、通常部室で遊べるから話が早いよな。
トラ:あとは、GM、プレイヤーさんの自宅、公共施設など。オンラインセッションなら各自の私室ということになるだろうね。
郡司:ふむふむ。
小野:そんなに大騒ぎするゲームでもないが、騒ぎすぎて周囲の迷惑にならないように注意したいところだ。
泉:あとはお菓子類、飲み物はあるといいですよ。意外とお腹が空きますし、たくさんしゃべるので、喉が渇きますからね。
筧:泉のもってくるお菓子はいつも美味いから、助かるぜ。
郡司:確かに。泉のお菓子はいつも美味しいな。
泉:せっかくだから、美味しいものをみんなで食べて、より楽しいセッションにしたいなって思って持ってきてるんですよ♪
トラ:ふふっ、僕の持ち込むお菓子は、珍味が多いかな。
筧:トラのはネタに走り過ぎだ!(笑) チョコレートの中にひとつ辛口チョコを仕込むとか……ま、笑ったけど(笑)。
小野:まあ、そういう仕掛けは、話が弾む良いきっかけになることもある。もちろん美味しいお菓子は参加者をリラックスさせるしな。やりすぎない範囲なら、面白いと思ったことはどんどんやればいいんじゃないか?
郡司:なるほどな。GMをするときの参考にさせてもらうよ。


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『ひねもすTRPG用語集』
 第10話:シナリオ

ひねもす扉ひねもすTRPG用語集10第10話:シナリオ
筧:(バーのマスター風の衣装で)お客様、まずは左の四コマをご覧ください。当店ではまず左の四コマをご覧になってから、続く記事を読んでもらうスタイルをとっております。
小野:……今回はバーテン風か。
郡司:よ、よくやる。
泉:本当に、筧くんはノリがいいですね♪

 ―――というわけで、まずは左の四コマからご覧ください。
 ご覧みになりましたか?
 では続きをどうぞ。

小野:さて、みんな今回は特別な回だぞ。
郡司:特別?
小野:本『ひねもすTRPG用語集』では「紹介してほしい用語」の投稿を募集していたが、その採用第一弾のネタが今回の「シナリオ」についてだ。
筧:おおっ!
小野:まずは、投稿者のサラルさん、どうもありがとうございます。
一同:ありがとうございます!
小野:では、投稿を紹介しよう。


 いつも、『ひねもすTRPG用語集』を楽しく拝読させていただいています。
 TRPGを遊ぶ時、シナリオが必要ですよね。
 このシナリオという言葉ですが、ドラマ・映画などの台本として、一般的に認識されているものじゃないでしょうか? でもそれらの“一般的なシナリオ”と“TRPGのシナリオ”はなにか違う気がします。
 そこで、“TRPGのシナリオ”の特徴について解説すると、TRPG初心者の方も助かると思い、メールしました。
 簡単ですが、お役に立てると幸いです。

 埼玉県:サラルさん

郡司:―――というわけで、「シナリオ」が今回取り上げる用語なんだが、ちょうど俺も「シナリオ」について知りたいところだったんだ。
泉:(ピン)あっ、ゲームマスター(GM)をする準備ですね。
トラ:郡司くんも、研究熱心だね。
郡司:そ、それほど大げさな話じゃないんだが。プレイヤーとして遊んだ経験からすると、TRPGのシナリオはサラルさんのいうとおり、いわゆるドラマや映画の台本とは違いそうだな――と思ったんだ。
筧:確かに、そのまんま同じものってワケじゃないよな。
小野:うむ。で、TRPGのシナリオは、4コマで説明したとおりだ。

 シナリオとは、プレイの開始から終了までの流れを想定したプランのようなものである。
 プレイヤーキャラクター(PC)のクリアすべき障害が配置されている。
 最終的な障害(ラスボスなど)をクリアすることによって、PCは報酬(金銭・経験点・ヒロインの笑顔、など)を獲得し、セッションは終幕を迎える。
 
小野:細かいところは置いておいて、要約するとこういうことになるな。
郡司:なるほどな。やっぱり、クリアすべき障害ってのが明確なのがTRPGらしいってところかな。
筧:そうだなぁ。PCたちには、戦闘力やトラップを回避する能力があるから、逆説的だけど、それらの能力を活かす“障害”をどう配置するかは、TRPGのシナリオのおもしろみじゃないかと思うぞ。。
トラ:僕はそこに全力を注ぎ込むよ。念入りに仕掛けたトラップにPCが引っかかる姿は、シナリオ作成の醍醐味だね。
筧:トラのシナリオはひねくれすぎてんだよっ!?(笑)
泉:あと、“報酬”も大事ですね。
筧:ああ。PCがシナリオを達成した実感につながるからな。
郡司:なるほど。……だけどさ。
小野:……?
群司:“障害”や“報酬”があるってだけだと。TRPGの特徴とは必ずしも言えないんじゃないか?
小野:ほう。
郡司:ほら、アクションもののドラマや映画だと、やっぱり悪役や怪物など戦って倒す“障害”はあるし。その結果、ヒロインが幸せになったりという報酬を主人公が得ることも定番だ。
泉:それはそうですね。
郡司:恋愛ものだって、恋敵や、恋人の肉親もまた広い意味では“障害”になるだろ?
トラ:………つまり。郡司くんは恋敵や肉親を、剣や魔法や巨大ロボで倒すドラマをたくさん見てきたと?
郡司:そういうことを言いたいんじゃねぇぇぇぇ――っ!
筧:ていうか、逆に見たいぞそのドラマ(笑)。
トラ:いや、話の腰を折ってごめん(笑)。
小野:オホン、話を戻そう。まあ、ゲームである以上、TRPGでは障害のクリアが、シナリオの特徴であるのは本当のことだ。
郡司:ああ。
小野:そのうえで、ドラマや映画でも障害のクリアは当たり前のようにある。というかむしろない方が珍しいと思う。
郡司:……。
小野:そんな中で、TRPGのシナリオ特色といえるのは「展開が変わる」かもしれないってことだ。
郡司:「展開が変わる」……か。
小野:前回、泉がいったとおり、TRPGはPCの選択や戦闘の結果によって、展開――話の流れが変わることがあり得る。
筧:それこそ、GMが予想もしていなかった形になることもあるよな。
泉:ええ!
郡司:で、その「展開が変わる」ことは、TRPGのシナリオにどう関わってくるんだ?
小野:まず、シナリオの作者が「展開が変わる」ことを予想している場合は、シナリオの分岐があらかじめ用意されていたりする。
トラ:「このトラップを回避できなかったらPCは捕まってしまう」「回避できたら敵と有利な状態で戦闘できる」みたいな感じだね。
郡司:なるほど、物語が必ずしも一本道ではない……それがTRPGのシナリオの特徴なのか。
泉:そういうことなんです!
郡司:………だけど、GMの想定外の展開もあるんだろ。
小野:あるな。
郡司:その場合どうなるんだ?
筧:ふっ、そんな時はアドリブだ!
泉:はい。そんな美味しい展開の時こそ、GMの知恵と勇気で乗り切るんです!
郡司:そ、そういうもんか。
トラ:(ぽんぽんと郡司の肩を叩きつつ)ああ、そういうもんだよ。


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