『ひねもすTRPG用語集』
 第14話:NPC

ひねもす扉ひねもすTRPG用語集14
第14話:NPC
郡司:なあ、筧……。
筧:(超棒読みで)ここは「ひねもすTRPG用語集」のページだ。読者のみんなは、まず左側の四コマを読んでから、記事を読んでほしい。
郡司:なにやってんだ?
筧:(超棒読みで)ここは「ひねもすTRPG用語集」のページだ。読者のみんなは、まず左側の四コマを読んでから、記事を読んでほしい。
郡司:……おい。
トラ:ふっふっふ。今回のテーマは「NPC」。彼は、コンシューマーRPGの村人ごっこをやっているようだね。
筧:(超棒読みで)ここは「ひねもすTRPG用語集」の――……。
郡司:……どんだけ、ネタが好きなんだ。
泉:というわけで、この『ひねもすTRPG用語集』は、「四コマ」→「文章」の順で読むようになっていますので、ご了承ください。

―――というわけで、まずは左の四コマからご覧ください。
ご覧になりましたか?
では続きをどうぞ。

小野:さて、今回はNPCについて話そう。
泉:ちなみに、今回の記事の執筆にあたって以下の投稿をいただいています。

 「PCの役割」と来たからには、NPCについても解説があったほうがいいですよね。そんなこと分かってるよって思いがちですが、初心者さんには、そのあたりの違いから区別した方がいいかなって思いまして。

千葉県:多佳リンさん

筧:多佳リンさん、投稿、どうもありがとう!
小野:うむ、基本的なところに視点を向けたいい投稿だと思う。経験者はつい知っていることを当然だと思いがちだからな。
筧:そんなわけで、今回紹介する用語は“NPC”だ。
郡司:基本的なところか……。えーと、PCがプレイヤーキャラクターの略だったけど、NPCの場合はどうなるんだ?
小野:Non Player Character(ノンプレイヤーキャラクター)の略だ。「『トーキョーN◎VA THE AXLERATION』では、キャスト(PC)以外のキャラクターのこと。ルーラー(GM)が担当する」とある。まあ、プレイヤーが担当しないキャラクターというような意味だと思ってくれ。
筧:ようするに、PC以外のキャラクターすべてを指すわけだ。PCでなければ、大人、子供、男性、女性、知性ある動物、ロボット――その他色々ひっくるめてNPC。
郡司:なるほど。
小野:以前の「ひねもすTRPG用語集」でも触れたが、PCはプレイヤーが管理するのに対して……。
郡司:……NPCは、GMが管理するんだろ?
小野:よくわかったな。
郡司:さすがに何度かプレイしていれば、これくらいはな。
小野:そんなわけで、「NPCはGMが管理するキャラクターである」と言えるし「PC以外のすべてのキャラクターである」とも言えるだろう。
郡司:なるほど。
小野:それで、NPCの役割や分類なんだが……。
郡司:「ゲームによって違う」んだろ?
小野:その通りだ。だから自分が遊ぶゲームのルールブックを読んで確認して欲しい。とはいえ……。
郡司:とはいえ?
小野:それだけでは不親切なので、NPCの分類を例をあげて解説してみよう。

●NPCの分類
筧:NPCの分類?
小野:ああ。ここでは『トーキョーN◎VA THE AXLERATION』を例にしてみよう。このゲームでは、NPCを次のように分類している。

・ゲスト
PCと同等か、それ以上の能力値や技能、特技を持つNPCのこと。
・トループ
NPCの一種で、集団として管理されるキャラクターのこと。機動隊、軍隊の一個小隊などを指す。多くの場合、やられ役として登場する。
・エキストラ
能力値や技能などのデータを設定されていないNPCのこと。

小野:これを見て何か気づくことはないか?
郡司:………ふむ。NPCに“段階”がある?
小野:そうだ。じゃあ、その段階は何に拠るものだ?
郡司:……データを持っているかどうか?
小野:そう! データを持っているかどうかによってGM……『N◎VA』の場合はルーラーだが、その扱い方が変わる。
郡司:ふむ。
筧:上の例で言うと“ゲスト”はしっかりデータを持っているから、戦闘で倒すラスボスなどの役割を果たせるんだ。
トラ:“トループ”は雑魚の集団で、やられ役の役割しか持たされていないね。
泉:戦闘データを持っていないエキストラは、例えば通行人やお店の店員さんとか、シナリオ上でPCの相手をする役割を与えられる場合が多いですね。
小野:それを逆手にとり「戦闘データがない=攻撃されると身を守るすべがない」かよわいヒロインとしての役割を、エキストラに与えることもある。
郡司:なるほど。GMはNPCを重要度に応じて管理できるシステムなんだな。
小野:そういうことだ。ちなみに……。
郡司:ちなみに?
小野:この例はあくまで『トーキョーN◎VA THE AXLERATION』の分類だ。ゲームによっては全部のキャラにデータがあるというものもあるから、各ゲームのルールブックを確認してほしい。
郡司:わかったわかった(笑)。
トラ:ちなみに、さっきNPCはGMが管理するって話があったけど……例外もあるよ。……「NPC乗っ取り」とか(笑)。
郡司:「NPC乗っ取り」!?
筧:ああ、アレは俺も好きだぜ。
トラ:通称そう言われている遊び方だけど、NPCのロールプレイをプレイヤーが担当しちゃうんだ。
郡司:そんなことをしていいのか?
小野:ケース・バイ・ケースだな。楽しく盛り上がっているときには効果的だが、嫌う人もいるのでそこはその場の雰囲気に合わせてくれとしか。
筧:まあ、GMの邪魔にならない範囲に収めないとな。


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『ひねもすTRPG用語集』をご覧の皆さん、どうもありがとうございます。
本4コマで取り上げてほしい用語がありませんか? 「こんな用語を説明したらいいんじゃないか?」といった、ご希望がありましたら、ぜひメールにてお寄せください。
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次回の更新は7月9日の予定。ぜひご覧ください。

『ひねもすTRPG用語集』
 第13話:PCの役割(戦闘編)

ひねもす扉ひねもすTRPG用語集13第13話:PCの役割(戦闘編)
筧:このコーナーは「そうだ、TRPGを始めよう!」という人のためのTRPG用語集だ。読者のみんなは、まず左側の四コマを読んでから、記事を読んでほしい。
泉:この『ひねもすTRPG用語集』は、「四コマ」→「文章」の順で読むようになっていますので、ご了承ください。

 ―――というわけで、まずは左の四コマからご覧ください。
 ご覧になりましたか?
 では続きをどうぞ。

小野:今更といってはなんだが、今回は“PC(プレイヤーキャラクター)”についての話をしよう。
郡司:PCというのは“プレイヤーが受け持つキャラクター”のこと……だったな。以前「プレイヤーの役割」の回で軽く話題にでていたが……。
小野:そう。プレイヤーはこの“PC”を介してゲームに参加するわけだ。
郡司:なるほど……といってもちょっと分かりにくいな。
小野:どんなところが?
郡司:「PCを介してゲームに参加」と言われてもピンとこない。
小野:なるほど。じゃあ、こう考えてみよう。TRPGでプレイヤーは自分の思いついたことを好きに選択して遊んでいい。これはわかる?
郡司:……まあなんとなく。
小野:でも、好きに選択したからといって何でもできるというわけじゃない。
郡司:判定に成功しないと「できた」ことにならないんだったな。
小野:そして、その判定に成功するかどうかはダイスのようなランダム要素を除けば……いや、そもそもダイスを振れる能力があるかどうかすら、ある存在によって決まっている。
郡司:なるほど。その「存在」というのがPCってことか。
小野:その通り。PCの能力値、スキル、神業……まあ、なんでもいいけど、PCができないことはプレイヤーはゲーム中に実現できない。
郡司:それが「PCを介してゲームに参加するってことか。

●PCの役割分担の例
小野:ゲームによって色々あるが、大抵のゲームの場合PCの能力には偏りがある。向き不向きがあるということだな。
郡司:なんでそんな偏りがあるんだ?
小野:「PCを介して」ゲームに参加する時に、PCごとに偏り、つまり得意不得意があった方が役割分担が発生するだろう?
郡司:役割分担……ねえ。
小野:もっとも「PCの役割」も、ゲームごとに違う。こんな投稿をいただいたので紹介させてもらおう。
泉:佐賀県のカタンさんにいただいた投稿ですね。投稿、どうもありがとうございます!

 
佐賀県のカタンといいます。7話の流れからパーティーの役割分担(だいたいのゲームにあると感じる)アタッカー、ディフェンダー、ヒーラー、サポーターの解説とかどうでしょう。

小野:―――という投稿だな。これは、戦闘に着目してPCの役割分担を分類したご意見だ。
筧:この投稿で提示されている、戦闘での四つの役割を説明すると、次のような感じになるかな。

・攻撃役(アタッカー)
 白兵・魔法で敵を攻撃。TRPGのジャンルによっては、銃撃やロボットなどを武器にすることもある。

・防御役(ディフェンダー)
 身体を張って味方を守る。重装甲を纏った、防御力の高いPCが担当することが多い。

・回復役(ヒーラー)
 味方を回復する役割。回復魔法や医術を使用する。

・支援役(サポーター)
 味方を支援・強化する。支援魔法や吟遊詩人の歌、軍師の策略、ハッキングなどが多様な支援の形がある。

郡司:これはわかりやすいな。以前遊んだ『アリアンロッドRPG 2E』でも、当てはまるようなクラスがあったし。
泉:いわゆるパーティーを組んで戦闘をするタイプのゲームだとわりと当てはまる感じですね。
小野:だが、あくまでこれは1例にすぎない。
郡司:そうなのか!?
トラ:ゲームによってはPC同士が脚を引っ張り合うことだってあるんだよ。
郡司:そんなこともあるのか!?
小野:だから「TRPGとはこう」と思い込まずに、ゲームごとにルールブックに書かれたPC・クラスの役割などの説明を読むといい。
郡司:またそれか(笑)。
筧:大事なことだからね(笑)。
 
●いただいたご意見に関して
小野:なお、今回紹介した投稿をもとに、担当編集者がツイッターなどでご意見をいただいている。今回の記事の参考にさせてもらっているし、これからの『ひねもすTRPG用語集』でも活用させていただく予定だ。今後もご意見を伺うことがあるかもしれないので、以下のアカウントを注目しておいてくれ。

@kawatana_fear

泉:この件についてご意見を寄せてくれた皆様、どうもありがとうございます。


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 第12話:ダイス・カード

ひねもす扉ひねもすTRPG用語集12第12話:ダイス・カード
筧:「賽は投げられた!」というわけで、TRPG用語集の始まりだ。読者のみんなは、まず左側の四コマを読んでから、記事を読んでほしい。
小野:ほう。今回はシーザーか。
泉:この『ひねもすTRPG用語集』は、「四コマ」→「文章」の順で読むようになっていますので、ご了承ください。

 ―――というわけで、まずは左の四コマからご覧ください。
 ご覧になりましたか?
 では続きをどうぞ。

小野:今回は「ダイス・カード」について話していこう。
郡司:ダイスとカード? 共通点あるのか?
小野:うむ。どちらもTRPGの判定に利用するという点で共通しているのだ!
郡司:ああ、そういうことか。
小野:この『TRPG用語集』では、判定については、触れてきていなかったので、ここで簡単に説明しておこう。

・判定
 キャラクターの行為が成功したかどうかの成否を判断する行為の事です。
 判定を行うタイミングや、その難しさは、GMの判断によって決められます。

郡司:なるほど。「判定につかう小道具」というくくりなら、確かに共通するな。
小野:では、ここでどのようにダイスを判定に使うか、『AR2E』を例にとって解説してみよう。

 『AR2E』の判定では、6面体ダイスを使います。
 キャラクターの能力や状況を表す修正値に、この6面体ダイスを複数振って出たダイス目を足して、達成値と呼ばれる数値を算出します。
 この達成値が、GMの設定した数値以上であれば、その判定は成功したことになります。

小野:おおまかに言うと『AR2E』の判定の基本は、こんな感じになる。
トラ:ゲームによって判定の仕方は異なるから、それぞれゲームごとにルールブックを読んでチェックしてね。
小野:それではここで、いくつかのゲームで判定で使うダイスの種類を紹介しておこう。

・6面体ダイス:『アリアンロッドRPG2E』『アルシャードセイヴァーRPG』など
6men
・10面体ダイス:『ダブルクロス The 3rd Edition』など
10men
・20面体ダイス:『ブレイド・オブ・アルカナ The 3rd Edition』など
20men
・トランプ:『トーキョーN◎VA THE AXLERATION』(以下『TNX』)
trump

郡司:……トランプが混ざってんじゃねーか!
小野:おっと、しまった。正確にはダイスだけでは無く判定で使う道具全般、だな。
泉:先に説明したとおり、ゲームによっては判定にカードを使うものもあります。
郡司:ところで、なんでわざわざカード……この場合はトランプか……を使うんだ?
小野:うむ、いいところに目を付けたな。もちろん理由はある。
郡司:ほう、理由があるのか。
筧:まずダイスの場合、判定の時に振ってみるまで結果はわからないだろう?
郡司:ん? ああそうか。振ってダイスの目を確認するまでは成功なのか、どのくらいの成功なのかがわからない、ということだな。
小野:その点カードの場合……具体例として『TNX』の場合は判定の前に、プレイヤーは自分の持っている手札の中からカードを選んで判定できるのだ。
郡司:……ん? どう違うんだ?
泉:つまり、手札の範囲内だけど、プレイヤーが「成功するか失敗するかを選べる」ってことなんですよ。
郡司:え? わざわざ失敗する理由なんてあるのか?
小野:イザというときのために手元に良いカードを残せるだろ?
郡司:……ああ、なるほど。失敗しておくと、後で有利になる場合があるのか!
小野:そういうことだ。ダイスにせよカードにせよ、判定で使う道具はそれぞれのゲームの個性を決める重要なものだ。
郡司:なるほどね。奥が深いもんだな。


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 第11話:ゲームの準備

ひねもす扉ひねもすTRPG用語集11第11話:ゲームの準備
筧:(シリアスな口調で)今回の本ページをご覧の諸君! 今回の任務を伝えよう。
小野:今度は秘密指令風か……。
筧:まずは左の四コマから読むように。この『ひねもすTRPG用語集』は、「四コマ」→「文章」の順で読むようになっている。なお………。
郡司:なお?
筧:……諸君が本ページを読了すると、自爆するようになっている。気をつけて爆発を回避してくれ。
一同:するかぁっ!?
泉:そもそも何が爆発するんですか!?(笑)
トラ:まあ、秘密指令が自爆するのはお約束だからねぇ(笑)。

 ―――というわけで、まずは左の四コマからご覧ください。
 ご覧になりましたか?
 では続きをどうぞ。

小野:今回は「ゲームの準備」について話していこう。
筧:「ゲームの準備」かぁ。それってTRPG用語になるのかなぁ?
小野:ああ。厳密に言うと違うかも知れないが、これからゲームを始めようという人には役に立ちそうなテーマなので、解説していこうと思う。
筧:郡司がGMをやる時の参考になるだろうしな。
郡司:正直なところ助かる。
小野:で、ぶっちゃけた話になるんだが。四コマで話したとおり、ルールブックには準備するものの説明があるので、まずはそちらを参照してほしい。
郡司:ふむふむ。
小野:特に注意してほしいのは「各ゲームごとに準備するものの内容は異なる」ということだ。
郡司:各ゲームごとに異なる? ……じゃあ、どうすればいいんだ!?
小野:だからこそ、ルールブックの準備するものの説明を読もうって話だ。
郡司:ああ。ゲームごとに準備が異なるから、その違いに気をつけて準備をしようって話か。
筧:そうそう。油断すると、4コマのトラように、判定に使うダイスを間違えるみたいなボケをかますことになるしな。
トラ:役に立てたようで嬉しいよ(笑)。
小野:人間は思い込みで行動するものだからな。セッション前に準備物を確認することは、忘れ物を防止し、スムーズなプレイに一役買ってくれるだろう。
郡司:なるほどな。
泉:例として『アリアンロッドRPG2E』だと、ルールブック2のP168から始まる「ゲームマスターガイド」を読むと、準備するものがわかりますね。
トラ:準備物はルールブックのゲームマスターのやり方を解説する章、あるいは冒頭のゲーム全体の説明をする章に書いてあることがおおいのさ。
小野:―――と、このようにゲームごとに準備物が異なるのを承知のうえで、様々なTRPGで一般的に必要と思われる準備を紹介していこう。
郡司:おう。
筧:まず四コマにあるとおり、プレイヤーを集めるところが必要だな。

・プレイヤー
 参加者、集合時間、プレイ会場の確認を行っておく。

小野:当たり前のようだが、参加者、時間、場所は全員に周知する必要がある。
郡司:複数人で集まって楽しむ、他の遊びと同じだな。
トラ:そうだね。そのうえで、プリプレイなど最初から全員そろった状態で始められた方が都合が良いからね。集合時間・場所などは間違えないようにメール・ネットの掲示板などで回しておくことをお勧めするね。
泉:そうすると、うっかり集合時間を忘れた時などでもすぐに再確認できて助かります。
筧:誰かが遅刻して、ゲームのスタートが遅れたりすると、プレイ時間が減ってもったいないからな。ゲーム時間の1秒は血の一滴ってな!
郡司:どんだけゲームしたいんだ!(笑)
小野:はっはっは。その他以下のようなものを準備することになるだろう。

・ルールブック
・シート類
・筆記用具
・ダイス
・ポーン
・シナリオ

 ―――etc

泉:ルールブックは、ゲームマスター(GM)だけでなく、持っているならプレイヤーさんも持ってくるとプレイがスムーズに進みますよ。
筧:データの参照などが便利になるよな。
郡司:(準備物のリストを見て)ふむ。あ、ポーンってのも必要だよな。
ポーン
筧:敵、味方の位置関係を表現するうえで、便利なコマだ。これもゲームによって必要ないこともあるんだけどな。
小野:その他、シナリオに含まれるものではあるが、以下のようなものが必要となる。

・今回予告(シナリオのイメージを伝える予告編の文章)
・ハンドアウト(各PCのシナリオ上での役割を伝える文章)
・マップ(シナリオ中の状況を伝える地図)

トラ:これらはプレイを円滑に進めるために、PCに見せることを前提とした準備物だね。
小野:ゲーム・シナリオによってこれらがいらないこともある。
筧:そのあたりはGMがケース・バイ・ケースで判断してほしい。
郡司:なるほどな。
小野:さらにサプリメントを用意するケースもある。これは基本ルールブックには掲載されていないことが多いな。

・サプリメント

郡司:サプリメント?
トラ:追加ルールやデータが載っている書籍さ。おおざっぱにいうと、導入することでゲームで遊べる幅が広がるものだと思うといいよ。
小野:ちなみに、サプリメントはGMがそれぞれのセッションで導入するかどうかを判断することになるな。
郡司:ふむ。
トラ:サプリメントを導入することで必要となるものは、そのサプリメント内に紹介されているから、そちらを参照してね。
郡司:ふむ。サプリメントについてはだいたい分かった。
泉:ゲームに直接関係ないところでは、次のようなものも準備するといいと思います。

・プレイをする場所
・お菓子類
・飲み物

小野:プレイをする場所は各プレイグループの環境に応じた適切な場所を選ぶことになるな。
筧:俺たちは、通常部室で遊べるから話が早いよな。
トラ:あとは、GM、プレイヤーさんの自宅、公共施設など。オンラインセッションなら各自の私室ということになるだろうね。
郡司:ふむふむ。
小野:そんなに大騒ぎするゲームでもないが、騒ぎすぎて周囲の迷惑にならないように注意したいところだ。
泉:あとはお菓子類、飲み物はあるといいですよ。意外とお腹が空きますし、たくさんしゃべるので、喉が渇きますからね。
筧:泉のもってくるお菓子はいつも美味いから、助かるぜ。
郡司:確かに。泉のお菓子はいつも美味しいな。
泉:せっかくだから、美味しいものをみんなで食べて、より楽しいセッションにしたいなって思って持ってきてるんですよ♪
トラ:ふふっ、僕の持ち込むお菓子は、珍味が多いかな。
筧:トラのはネタに走り過ぎだ!(笑) チョコレートの中にひとつ辛口チョコを仕込むとか……ま、笑ったけど(笑)。
小野:まあ、そういう仕掛けは、話が弾む良いきっかけになることもある。もちろん美味しいお菓子は参加者をリラックスさせるしな。やりすぎない範囲なら、面白いと思ったことはどんどんやればいいんじゃないか?
郡司:なるほどな。GMをするときの参考にさせてもらうよ。


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『ひねもすTRPG用語集』
 第10話:シナリオ

ひねもす扉ひねもすTRPG用語集10第10話:シナリオ
筧:(バーのマスター風の衣装で)お客様、まずは左の四コマをご覧ください。当店ではまず左の四コマをご覧になってから、続く記事を読んでもらうスタイルをとっております。
小野:……今回はバーテン風か。
郡司:よ、よくやる。
泉:本当に、筧くんはノリがいいですね♪

 ―――というわけで、まずは左の四コマからご覧ください。
 ご覧みになりましたか?
 では続きをどうぞ。

小野:さて、みんな今回は特別な回だぞ。
郡司:特別?
小野:本『ひねもすTRPG用語集』では「紹介してほしい用語」の投稿を募集していたが、その採用第一弾のネタが今回の「シナリオ」についてだ。
筧:おおっ!
小野:まずは、投稿者のサラルさん、どうもありがとうございます。
一同:ありがとうございます!
小野:では、投稿を紹介しよう。


 いつも、『ひねもすTRPG用語集』を楽しく拝読させていただいています。
 TRPGを遊ぶ時、シナリオが必要ですよね。
 このシナリオという言葉ですが、ドラマ・映画などの台本として、一般的に認識されているものじゃないでしょうか? でもそれらの“一般的なシナリオ”と“TRPGのシナリオ”はなにか違う気がします。
 そこで、“TRPGのシナリオ”の特徴について解説すると、TRPG初心者の方も助かると思い、メールしました。
 簡単ですが、お役に立てると幸いです。

 埼玉県:サラルさん

郡司:―――というわけで、「シナリオ」が今回取り上げる用語なんだが、ちょうど俺も「シナリオ」について知りたいところだったんだ。
泉:(ピン)あっ、ゲームマスター(GM)をする準備ですね。
トラ:郡司くんも、研究熱心だね。
郡司:そ、それほど大げさな話じゃないんだが。プレイヤーとして遊んだ経験からすると、TRPGのシナリオはサラルさんのいうとおり、いわゆるドラマや映画の台本とは違いそうだな――と思ったんだ。
筧:確かに、そのまんま同じものってワケじゃないよな。
小野:うむ。で、TRPGのシナリオは、4コマで説明したとおりだ。

 シナリオとは、プレイの開始から終了までの流れを想定したプランのようなものである。
 プレイヤーキャラクター(PC)のクリアすべき障害が配置されている。
 最終的な障害(ラスボスなど)をクリアすることによって、PCは報酬(金銭・経験点・ヒロインの笑顔、など)を獲得し、セッションは終幕を迎える。
 
小野:細かいところは置いておいて、要約するとこういうことになるな。
郡司:なるほどな。やっぱり、クリアすべき障害ってのが明確なのがTRPGらしいってところかな。
筧:そうだなぁ。PCたちには、戦闘力やトラップを回避する能力があるから、逆説的だけど、それらの能力を活かす“障害”をどう配置するかは、TRPGのシナリオのおもしろみじゃないかと思うぞ。。
トラ:僕はそこに全力を注ぎ込むよ。念入りに仕掛けたトラップにPCが引っかかる姿は、シナリオ作成の醍醐味だね。
筧:トラのシナリオはひねくれすぎてんだよっ!?(笑)
泉:あと、“報酬”も大事ですね。
筧:ああ。PCがシナリオを達成した実感につながるからな。
郡司:なるほど。……だけどさ。
小野:……?
群司:“障害”や“報酬”があるってだけだと。TRPGの特徴とは必ずしも言えないんじゃないか?
小野:ほう。
郡司:ほら、アクションもののドラマや映画だと、やっぱり悪役や怪物など戦って倒す“障害”はあるし。その結果、ヒロインが幸せになったりという報酬を主人公が得ることも定番だ。
泉:それはそうですね。
郡司:恋愛ものだって、恋敵や、恋人の肉親もまた広い意味では“障害”になるだろ?
トラ:………つまり。郡司くんは恋敵や肉親を、剣や魔法や巨大ロボで倒すドラマをたくさん見てきたと?
郡司:そういうことを言いたいんじゃねぇぇぇぇ――っ!
筧:ていうか、逆に見たいぞそのドラマ(笑)。
トラ:いや、話の腰を折ってごめん(笑)。
小野:オホン、話を戻そう。まあ、ゲームである以上、TRPGでは障害のクリアが、シナリオの特徴であるのは本当のことだ。
郡司:ああ。
小野:そのうえで、ドラマや映画でも障害のクリアは当たり前のようにある。というかむしろない方が珍しいと思う。
郡司:……。
小野:そんな中で、TRPGのシナリオ特色といえるのは「展開が変わる」かもしれないってことだ。
郡司:「展開が変わる」……か。
小野:前回、泉がいったとおり、TRPGはPCの選択や戦闘の結果によって、展開――話の流れが変わることがあり得る。
筧:それこそ、GMが予想もしていなかった形になることもあるよな。
泉:ええ!
郡司:で、その「展開が変わる」ことは、TRPGのシナリオにどう関わってくるんだ?
小野:まず、シナリオの作者が「展開が変わる」ことを予想している場合は、シナリオの分岐があらかじめ用意されていたりする。
トラ:「このトラップを回避できなかったらPCは捕まってしまう」「回避できたら敵と有利な状態で戦闘できる」みたいな感じだね。
郡司:なるほど、物語が必ずしも一本道ではない……それがTRPGのシナリオの特徴なのか。
泉:そういうことなんです!
郡司:………だけど、GMの想定外の展開もあるんだろ。
小野:あるな。
郡司:その場合どうなるんだ?
筧:ふっ、そんな時はアドリブだ!
泉:はい。そんな美味しい展開の時こそ、GMの知恵と勇気で乗り切るんです!
郡司:そ、そういうもんか。
トラ:(ぽんぽんと郡司の肩を叩きつつ)ああ、そういうもんだよ。


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次回の更新は6月4日の予定。ぜひご覧ください。

『ひねもすTRPG用語集』
 番外:ご意見募集

ひねもすロゴ
番外:ご意見募集

 いつも「ひねもすTRPG用語集」をご覧の皆様、こんにちは!
 突然ですが…………。

 今回は番外編をお送りします!

 番外編なので、皆見先生の描き下ろし4コマはありません!
 …………。
 あ、ちょっとまってください。
 読むのをやめないで!?
 ネタ自体は面白いですから!(笑)

 ―――というわけで、本題に移りましょう。

 現在、「ひねもすTRPG用語集」では、ユーザーの皆様に公式ブログおよび、ツイッターなどで「こんな用語を説明したらいいんじゃないか?」という用語の投稿をお願いしております。
 ↓みたいな感じですね!

 これが徐々に集まってきております。
 どうもありがとうございます。
 今回は、本コーナーに届いた投稿をご紹介します。


 佐賀県のカタンといいます。7話の流れからパーティーの役割分担(だいたいのゲームにあると感じる)アタッカー、ディフェンダー、ヒーラー、サポーターの解説とかどうでしょう。

【佐賀県:カタンさん】

 7話の「プレイヤーの役割」をヒントに、戦闘時のパーティでのプレイヤーキャラクターの役割という視点での投稿をいただきました!

ひねもすTRPG用語集07

 7話の記事はこちら↓でご覧ください。
http://fear.co.jp/wordpress/?m=201504

 この投稿で言う戦闘時のパーティの4つの役割は以下のようなものです。

・アタッカー:敵にダメージを与え、敵を倒す。
・ディフェンダー:敵からのダメージを受け止め、味方を守る。
・ヒーラー:味方のダメージを回復する。
・サポーター:仲間を様々な形で支援する。

 上記のような役割を果たしつつ、パーティ内でプレイヤーキャラクターは戦闘時、協力しながら敵を倒すことになります。

 プレイヤーとプレイヤーキャラクターの差を再確認できるという点からも、面白い着眼点の提案だと思います。
 TRPG初心者さんもこの用語を解説すれば、自分のPCが何ができるのかが把握できるでしょう。その結果、TRPGの戦闘の展開をイメージしやすくなること請け合いってもんです。

 ………そのうえで。
 すべてのTRPGがこの形にぴたりと当てはまるとはかぎりません。
 例えば『アリアンロッドRPG2E』では、ウォーリアという戦士のクラスは、アタッカーとディフェンダーの役割を同時にになうことができます。
 アコライトという聖職者のクラスも、ヒーラーとサポーターの役割を兼ね備えています。
 距離の概念で考えることもできます。
 敵と白兵戦を繰り広げる“前衛”と、後方から間接射撃・支援を行う“後衛”に、プレイヤーキャラクターの役割を分類することも可能でしょう。
 「プレイヤーキャラクターの役割」という形で視点を広げれば、中盤の情報収集や、ダンジョンでのトラップ解除に活躍の主眼を置いたキャラクターメイキングが可能なTRPGも存在します。

 このようにこのテーマは、掘り下げるともっと面白くなりそうな感じです。
 というわけで、このテーマ――

「プレイヤーキャラクターの役割」

 について、より多くの皆様のご意見をうかがえればと思い、この場を借りて投稿のお願いをさせていただきます!
 明確な投稿の形でなく、アイデア・思いつきなどでもかまいませんので本テーマについて、色んな視点からご意見をいただければ、と存じます。
 この「プレイヤーキャラクターの役割」については、ハッシュタグ「#PCの役割」をつけたうえで、呟いていただいてもご意見として確認させていただきます。

 ご協力よろしくお願いします!

投稿はこちらまで↓
webmaster@fear.co.jp

『ひねもすTRPG用語集』
 第9話:ゲームマスターの楽しみ

ひねもす扉ひねもすTRPG用語集09第9話:
ゲームマスターの楽しみ

筧:やあ、本ページをご覧のみんな! まずは左の四コマを見てほしい。このひねもすTRPG用語集は、「四コマ」→「文章」の順で読んでもらうように描かれているんだ! ボクとみんなの約束だよ!
小野:今回は教育番組のお兄さん風か。色々考えるな。
郡司:………。

 ―――というわけで、まずは左の四コマからご覧ください。
 ご覧になりましたか?
 では続きをどうぞ。

小野:……今回は前回でも触れた「GMの楽しみ」について語ろう。
郡司:確か、俺が「GMの役割が多くてたいへんだ」と言ったところが今回の話につながったんだよな。
トラ:そうだったね。
筧:ぶっちゃけ「GMの役割」が多いのは、本当のことだしな。
郡司:ミもフタもないな!
小野:「シナリオの進行の管理」「NPCの管理」「戦闘時の敵データの管理」「プレイヤーへの質疑応答」などなど。プレイヤーが自分のPCを役割を受け持てばいいのに比べれば、そこは一目瞭然だろう。
郡司:ま、そうだよな。
泉:でも、「GMをやりたい」というモチベーションを持つ人は多くて。だから、TRPGは遊び続けられてるんですよ。
郡司:ふーむ。じゃあ、泉はどのあたりが、GMのモチベーションなんだ?
泉:私の場合は、四コマにあるとおり、PCたちのかけあいを眺めること。そして、そんな中で生じる想定外のかけあいや展開を見るのが好みですね。
郡司:想定外か……。でも、それってGMがよりたいへんになるってことじゃないのか?
泉:そういう面もありますけど。セッションが常にGMの思うとおりに進んだら、それはそれでつまらないと思いませんか?
郡司:……ん。まあ、それは、そうかもな。
トラ:泉さんの気持ちは分かるよ。でも、僕の場合は、想定外の事象で振り回されるより、振り回すほうが好きだから、PCたちが右往左往するような仕掛けをたくさんシナリオに組み込むね。
筧:ホント、トラはいい性格をしてるよな~(笑)。
トラ:ありがとう。GMとして褒められたと思っておくね(笑)。
郡司:褒め言葉……か?
小野:まあ、トラのシナリオの先が読めない面白さは否定できないからな(笑)。GMごとに個性があると考えてくれ。
郡司:あ、ああ。
泉:話を戻すと、「TRPGは物語を創造する遊び」と言われることもあるんですが、プレイヤーが変われば、同じシナリオでも大なり小なり異なった展開を見せるんです。
郡司:ああ。NPCへの対応や、戦闘時のPCの生き死にで展開が変わるってのは理解してる。
泉:GMはシナリオを管理する役割の特性上、その「物語が創造されていく」様子を、もっとも実感できる立ち位置にいるんじゃないかなって、私は考えてるんですよ。
郡司:ふーむ、なるほど。GMはゲームの管理者でありつつ、物語が創造されていく様子をもっとも間近で見物できる、特等席の観客でもある――泉の意見は、そんな感じで理解すればいいのかな。
トラ:おおむねいいんじゃないかな。僕は、もっと自分の作った物語をPCに体験してもらいたい、という願望が強いけど(笑)。
小野:俺は、細かいことはさておいて。GMをやる時は、とにかくPCが笑顔でセッションを終えてくれれば満足だ。
筧:…………アキ。
小野:なんだ?
筧:お前、本当にいいヤツだな。
小野:……別に普通だ(←照れている)。
郡司:…………なるほど。GMが大変なだけじゃないってのはわかったよ。
筧:おう! その勢いで、郡司もGMにチャレンジだ! 既製品のシナリオなら負担も少ないしな。
郡司:い、いきなりか! ……ま、まあそれなら、GMをやってもいいかな。
泉:その時はぜひプレイヤーに参加させてください!
郡司:ああ。お手やわらかにな(笑)。


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『ひねもすTRPG用語集』
 第8話:ゲームマスター(GM)の役割

ひねもす扉ひねもすTRPG用語集08第8話:
ゲームマスターの役割

筧:む、むむむむむ。この記事は左の四コマを見てから、読んでもらうとより理解できるような予感がするぞ?
小野:何が予感だ!?(笑) だが、真面目な話そのような構成になっているのは本当のことなので、まずは、左の四コマからご覧いただきたい。

 ………。
 というわけで、まずは左の四コマからご覧ください。
 ……ご覧になりましたか?
 では、続きをどうぞ。

郡司:―――ゲームマスターの役割は、色々あるってことは分かった。
トラ:そう、純粋に1キャラクターを担当するプレイヤーとは違って、複合的な役割があるわけさ。
郡司:ああ。そのうえで、それぞれの役割について、もう少し詳しく知りたいんだが……。
小野:分かった。まずは、「シナリオの進行の管理」から説明しょうか……。

●シナリオの進行の管理
 ゲームの開始から、ゲームの終了までを仕切る役割です。

・キャラクターの作成(プリプレイなどと呼ばれる)
・シナリオの導入(オープニングなどと呼ばれる)
・物語中盤の展開(ミドルフェイズなどと呼ばれる)
・ラスボスとの決戦(クライマックスフェイズなどと呼ばれる)
・エンディングの演出(エンディングフェイズなどと呼ばれる)
・経験点の算出(アフタープレイなどと呼ばれる)

 ―――といったシナリオ上の段階を、プレイヤーに提示していきます。
 そしてプレイヤーのとった行動に対応し、判定・裁定を行います。

郡司:ふーむ。まさに、管理者という言葉がぴったりくるな。
筧:改めて考えると、GMは鍋奉行とか上手そうだよなぁ。
郡司:そ、そうなのか?
泉:たとえは極端ですけど、当たらずとも遠からずですね。
トラ:ほら、TRPGも鍋も、何人かで同時に同じテーマを楽しむイベントだよね(笑)。無秩序に進めるより、誰かが物事を整理し、優先度をつけて処理していく方がスムーズに進行するってことさ。
小野:そういった“仕切る”能力は、ゲームマスターにも鍋奉行にも大いに役に立つということだ。
郡司:な、なるほど。

●NPCの管理
 シナリオに登場するNPCの管理もGMの役目です。
 彼らがどんな人物で、どんなことを話すのか。
 ロールプレイやデータの処理を担当します。

郡司:ああ、GMはよくNPCのロールプレイをするよな。
筧:そうだな。オレがGMをする時は、NPCのロールプレイのバリエーションにこだわるんだ。
郡司:そこが気になっていたんだが。みんなGMをするとき、NPCのロールプレイのパターンが豊富なんだけど、そんなとこまでシナリオに書いているのか?
泉:セリフなどは基本的なものだけで、あとはアドリブ(即興)ということが多いですね。
郡司:アドリブなのか!?
小野:市販のシナリオでは、NPCのロールプレイの指針がある程度決まっているから、慣れてさえいればさほど難しいことではないんだ。
トラ:もちろん、NPCの処理はシナリオに規定されている範囲だけで対応してもいいし、GMの思いつきでアドリブを交えてもいいのさ。そのあたりは、GMが一番上手くやれる形で運用するのが一番だね。
郡司:なるほど。

●戦闘時の敵データの管理
 セッションではPCと敵NPCの戦闘はつきものです。
 その際、敵NPCのデータ(【HP】や【MP】、特殊能力)の管理はGMの役割となります。
 また、敵NPCの戦術的な運用もGMの役割となります。

筧:やっぱ、戦闘はTRPGの華だからな! NPCを上手く使って、PCを追い詰めるのがセッションを盛り上げるコツだな。
郡司:筧は特に戦闘時は、目が輝いてるよな。
筧:おう、特に自作シナリオの時は燃えるぜ! 戦闘に色々仕掛けを考えるのは楽しいし、それがうまくいくと更に最高だしな!
郡司:シナリオを自作することもあるのか……。
泉:そうなんです。自分好みのシナリオを作るのってとても楽しいんですよ!

●プレイヤーの質問対応
 その他、セッションを進めていくうえで、プレイヤーから生じた質問に回答をするという役割があります。

小野:とまあ、そんな感じだ。
郡司:こうしてみると、GMはかなり大変に見えるな。俺には無理かも……。
泉:そんなことはないですよ!(力説)
郡司:お、おう。
筧:一見大変に見えるのは確かだけど、GMには特有の楽しみがあるんだ。これを知るとやみつきになるレベルだぜ!
郡司:そうなのか?
小野:じゃあ、次回は「GMの楽しみ」について、語っていこう。


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 第7話:プレイヤーの役割

ひねもす扉
ひねもすTRPG用語集07第7話:プレイヤーの役割
郡司:こ……この文章を読む前に、左の4コマをあらかじめ読んでおいて……ほしい。
筧:お、郡司……緊張しているな!(笑) モニターの向こうの読者さんは意識せず、普通に話せばいいんだ。
郡司:あ、あまり話しかけるな。気が散る……。

と、緊張気味の郡司君が言うように、本記事は4コマを読んだ前提で書かれています。ですので、まずは4コマをご覧ください。
……ご覧になりましたか?
では、続きをどうぞ。

小野:というわけで、今回はプレイヤーの役割について語っていこう。
郡司:プレイヤーは、ひとり1キャラクターごとに担当するんだよな。
筧:そうそう。四コマにあるとおり、協力しあったり時には対立したりして、セッションの成功を目指すんだぜ。
郡司:ちなみに、なんで、戦士や魔法使いをやるんだ?
小野:いい質問だ。その戦士や魔法使いは、いわゆるクラスというものだ。
郡司:クラス……確か職業みたいな意味だったな。
小野:そう。ゲームにおける、役割を表現するものだと言っていい。
郡司:役割……か。確かに、戦士は戦闘が強いし、魔法使いは魔法が得意、神官は回復担当ってぐらいは分かる。
小野:そう。それぞれが得意分野を発揮することで、PCたちのグループ、いわゆるパーティはより大きな力を発揮するんだ。
泉:ひとりでは倒せないような敵もパーティを組めば倒せるようになりますしね。
筧:PCたちが、それぞれの役割を果たし、協力して大きな障害をクリアしていく過程も、TRPGの楽しみのひとつなんだ。
郡司:なるほど。ロール・プレイング・ゲーム(役割を演じる遊び)とは、そういう意味があるんだな。
小野:そう考えてもらって間違いはない。
トラ:ただ、お互い助け合うのが基本でも、時には対立もするんだよ?
郡司:対立か……そう聞くと、なんか殺伐としたゲーム風景が思い浮かぶな……。
トラ:セッションは“やるかやられるか”! 情け無用のバトルフィールドさ♪
小野:こら、デマを流して遊ぶんじゃない!
筧:トラは、相変わらず不穏な空気を作り出すのが上手いな。
トラ:まあ、そう褒めなくていいから。
筧:褒めてないし!(笑)
郡司:………。
小野:確かに、PC同士で対立が生じるセッションもある。ただ、それはキャラクターの設定によったり、シナリオの仕掛けだったりすることが多い。
郡司:仕掛け?
小野:うむ。まあ、PC同士協力するのは素晴らしい。だがそれも毎回だと飽きる人もいる。
筧:そこで、セッションのスパイスとして、PC同士の対立を楽しむ遊びもあるワケだ。
トラ:最終的には、プレイヤー同士が話あって、お互い“WinWin”な結末を探っていくことになるのさ。
小野:「みんながハッピーになるエンディング」をどのように目指すのか――そこを楽しむセッションもあるって話だ。
郡司:うーむ。TRPGの楽しみ方も、色々ありそうだな。
泉:基本的には、自分のプレイヤーキャラクター役割・立場を意識して遊ぶところに、プレイヤーの楽しみがあると思ってください。
郡司:わかった。パーティの中の自分の立ち位置ってヤツを今度のプレイでは、ちょっと意識してみるよ。


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 第6話:ゲームの参加者

ひねもす扉
ひねもすTRPG用語集06第6話:
ゲームの参加者

筧:まずは、左の四コマから読んでくれ! この解説記事は、四コマを読んだ前提で、書かれいるからな!

 ……ご覧になりましたか?

トラ:ところで、僕は誰でしょう?

 …………。
 なんだか、今回の4コマでは『TRPG用語集』では見たことがないキャラクターも登場してますね。
 なにはともあれ、続きをどうぞ。

小野:というわけで、今回は『ゲームの参加者』に関するお話だ。
泉:あの……その前に。
筧:ひとり紹介する必要があるヤツがいるよな。
トラ:読者の皆さん、はじめまして! 僕の名前は、内嶺竜虎(うちみね・りゅうこ)。『ゲーマーズ・フィールド』で連載中の『ひねもすTRPG日和』では、「19-3」から登場したTRPG部の部員です。よろしくね。
郡司:ああ……なかなか印象的な登場だったな。
泉:「未亡人が好き」なんて言ってましたね。
小野:「人の不幸を見るのが好き」だとも言っていたかな。
郡司:声色で俺そっくりの声を出してみたり……。
トラ:そんなことを言われると、まるで僕が変な人みたいじゃない?(笑)
郡司:事実だろう。
トラ:正確に言うと「ゲーム内で、そういう悲劇的なシチュエーションを見る」のが好きなだけで、現実世界の不幸を見て楽しむってわけじゃないんだ。
郡司:ま……登場回では、そんなことも言っていたな。
トラ:そうそう「変な人」ではなく、「変な趣味の人」と思ってほしいね。
郡司:…………。
泉:……フォローになってない気がします。
筧:ま、こう見えて、GMは上手かったりするんだぜ?
トラ:そうそう。僕はTRPG部に欠かせない人材なんだ。
小野:自分で言うな(笑)。では、本題に入ろう。「ゲームの参加者」だな。
郡司:4コマであったように、ゲームマスター(GM)と、プレイヤーの2種類があることは分かった。実際に遊んだ時もGMが、ゲームを進行させ、プレイヤーがそれに応じて行動をしていったな。
泉:ですね。プレイヤーが、基本的にひとり1キャラクターを担当します。
小野:対してGMは、シナリオ全体を把握し、プレイヤーの行動をジャッジしていくわけだ。
郡司:だから“神”なんて呼ばれりもするわけか……。
トラ:だけど「我をあがめよ」と、いっても、誰もありがたがってはくれないよ?
小野:当たり前だろ!!(笑) ゲームマスターは、PCの行動をフェアに判定し、ゲームの進行を適切に管理するのが役割だ。決して、プレイヤーに崇拝されることが目的なんかではないからな。
筧:そうそう。アキは、どっちかというと、皆に気を遣いまくりなぐらいだからな(笑)。
泉:小野君のGMは癒やされます。
小野:それは……喜んでいいのか?
郡司:(少し考えて)……GMは、まさにゲームの管理役なんだな。……しかし、だとするとGMだけ、かなり大変なんじゃないか?
筧:ま、そうではあるんだけど、GMにはGMでしか味わえない、楽しみがあるんだ。
泉:あ、それはわかります!
郡司:へぇ。
トラ:そのあたりは話すと長くなるから、GMとプレイヤーそれぞれについて、個別に説明していたほうがいいんじゃない?
小野:そうだな。次回以降に順次説明させてもらうことにしよう。
筧:とりあえず、今回は「プレイヤーはひとり1キャラクターを担当して遊ぶ」「GMはゲームの管理者」とだけ覚えてくれればOKだ。
郡司:まとめると、すごくあっさりしてるが……とりあえず理解した。


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